「基本的に、皇族のお姿を撮影するのは、宮内庁が依頼したカメラマンか、撮影許可を得たメディアのカメラマンです。しかし、今回の撮影者は、天皇ご一家のご養蚕に供奉(ぐぶ)した侍従でした。プロによる撮影ではないからか、むしろどれもアットホームさを感じられる写真になったように思います。天皇ご一家の仲睦まじいご様子が伝わってきて、微笑ましいですよね」(皇室記者)
7月14日、宮内庁により、5月19日、6月1日、6月11日に皇居内の紅葉山御養蚕所(東京・千代田区)で行われた天皇ご一家のご養蚕の様子を収めた写真が複数枚公開された。
実は、宮内庁担当の記者たちは、写真の公開を5月中から宮内庁側に申し入れていたという。
「3月の成年会見以来、愛子さまのお姿が一切公開されていなかったので、ぜひ出していただきたいと要望を出していました。ただ、宮内庁側は消極的な姿勢だった。しかし一転、2か月が経って公開されたことに驚いています」(前出・皇室記者)
愛子さまは現在、学習院大学の3年生だ。学業優先の方針を表明されているため、お出ましの予定は公表されていない。そのうえ、大学の講義はすべてオンラインで受講されているため、皇居・御所に“おこもり”の状態といっていいだろう。
愛子さまのご活動の様子が表に出てこない理由のひとつには、秋篠宮家の長男・悠仁さまへの配慮もあるという。
「成年に際する行事と会見では、天皇家の長子としての貫禄を感じさせられました。愛子さまが人前に出られるたびに、その人気は高まるでしょう。そうして関心が高まると、『愛子さまのほうが天皇にふさわしいのではないか』という議論に火が付いてしまう可能性がある。そのような事態にならないよう、将来の天皇である悠仁さまに気を遣われていることで、愛子さまのお姿がなかなか公開されないという側面はあると思います」(皇室ジャーナリスト)
公開された写真は、前述のとおり、5月19日、6月1日、11日の3日分で、計5枚。うち、愛子さまが映られている写真は6月1日と11日。どの写真も、ご一家の「リンクコーデ」が印象的だ。
皇室の取材を続ける放送作家のつげのり子さんは、なかでも6月1日のお召し物に注目したと話す。
「愛子さまは黒いトップス、雅子さまは黒いベストに青のマドラスチェックシャツをお召しになっています。陛下のシャツも、水色でありながら、黒っぽいトーンです。この日は、ウクライナ東部の要衝都市・セベロドネツクの約7割がロシアの支配下に入った日でした。ロシアの攻勢は激しく、死者も多数出ていた。
日本の皇室は中立の立場を貫くため、どちらかの側に立った発言をされることはありませんが、黒を基調としたお召し物を通して、犠牲者を悼むお気持ちを表されたのではないかと感じました」(つげさん)