宮内庁の御用掛に就任した吉田尚正元警視総監(時事通信フォト)
そんな“怒号”が響く秋篠宮家で、トップを務めてきたのが前述した加地氏だ。
「もともとは2016年から宮家全体を統括する『宮務主管』でしたが、2019年に秋篠宮さまが皇嗣となられたことで、加地氏も“次の天皇をお支えする最側近”にスライドした経緯があります。
長く務められているのは、秋篠宮ご夫妻から一定の信頼を得ているからです。それは加地氏の穏やかな人柄によるものと評価する声の一方で、ご夫妻の意向に寄り添いすぎてしまう“従順なイエスマン”の面があるからだと言う人もいます」(前出・皇室ジャーナリスト)
秋篠宮家に逆風が吹き始めたのは、加地氏が最側近になった時期と重なる。
「眞子さんの結婚相手として小室圭さんの名前が浮上した後、2017年末に小室さんの母・佳代さんの金銭トラブルが報じられたことで、結婚は暗礁に乗り上げました。
当然、最側近である加地氏は、眞子さんの意中の相手は事前に把握していたわけですが、秋篠宮さまからの“詳しく調べる必要はない。私的なことだからかかわるな”という言葉をそのまま受け止めた。結果、3年以上結婚が延期されるという異例の事態を招きました。多くの職員が、“小室騒動”はもうこりごりと感じているのは明白です」(前出・皇室記者)
確かに、秋篠宮さまの言葉は重い。それでも女性皇族の、しかも当時の「天皇の初孫」である眞子さんの結婚相手ともなれば、世間が注目するのは容易に想像できたはずだ。
「加地さんは警察庁の出身で、いわば情報のプロです。表立っては動かずとも、水面下で小室さんが抱える問題を把握し、秋篠宮ご夫妻に事前にご相談し、解決しておくことだってできたはずです」(前出・皇室記者)
秋篠宮ご夫妻が会見をチェック
眞子さんの結婚を巡っては、2021年4月、小室さんが母親・佳代さんの金銭トラブルに関する文書を公表した。28枚に及ぶ“渾身の説明文書”が作成された背景には、宮内庁長官を務める西村泰彦氏の働きかけがあったという。
「西村氏は定例記者会見で“(小室さん側が)説明責任を果たすことが重要”との見解を示していました。それだけ重要事項だったとも言えますが、女性皇族の、それも私的な事柄である結婚のことを、“秋篠宮家の事務方の責任者”である加地氏ではなく、長官がはっきり意見を述べたことに違和感を覚えました」(別の皇室記者)
秋篠宮ご夫妻に誰よりも近い存在なので、加地氏は逆に“動きにくかった”ということもあるようだ。
「大夫の仕事に、宮内庁担当記者への会見があります。そこで秋篠宮ご一家の活動や生活ぶりについて説明を行うわけですが、あるときから加地氏の会見内容を秋篠宮ご夫妻が一字一句チェックされるようになったといいます。加地氏としては“余計なことは言えない”と、さらに消極的にならざるを得なかったのでしょう」(前出・別の皇室記者)