現在の皇嗣職トップは加地隆治氏(時事通信フォト)
崩壊寸前であっても、秋篠宮家には今後も、佳子さまのご結婚、そして悠仁さまの成年行事や“その後”など重大行事が控えており、そのたびに、国民からの関心は高まっていく。
「かつて、秋篠宮さまと紀子さまがご結婚された頃に仕えていた側近の中には、秋篠宮さまにはっきりとものを申し上げ、時には苦言を呈する人物もいました。たとえ嫌われても秋篠宮家のためになるのであればと懸命だったからです。しかしいまはそうした側近は見当たりません」(前出・別の皇室記者)
要職を辞して宮内庁御用掛に
そんな状況に風穴を開けることを期待されているのが、冒頭で触れた“知恵者”だ。7月中旬、宮内庁御用掛に吉田尚正氏が着任した。吉田氏は、警視庁のトップである「警視総監」を務めた人物だ。
「御用掛とは、持ちうる技能や知識を皇室のために提供する立場で、いわば相談役と実務者を兼ねた存在です。吉田氏は、皇室のなかでも秋篠宮家に関する職務を担うそうです。御用掛の役割はさまざまですが、吉田氏に期待されるのは当然、警視総監を歴任するなどした経験に基づく警護・警備や情報に関することも多分に含まれるでしょう」(別の宮内庁関係者)
吉田氏は、福岡県警本部長時代に、特定危険指定暴力団の最高幹部を逮捕したり、警視庁時代にはオウム真理教事件の最後の特別手配容疑者だった高橋克也被告の追跡を手配するなど顕著な実績を誇る。
「典型的な警察官僚の堅物というわけではなく、バランス感覚に優れ、なんでもそつなくこなすタイプです。以前から“宮仕え”したいという思いを持っていたようです。2018年9月に警視総監を退任してからは、複数の企業の社外取締役などを務めていましたが、今回の御用掛着任にあたってはそれらの要職を辞したそうです。御用掛は“非常勤”のような扱いのため、ほかの仕事や役職と兼ねることは問題ない。にもかかわらず御用掛の“専任”を選んだことから、吉田氏の覚悟が感じられます」(警察関係者)
このところ、皇族の身に危険が迫る事件が後を絶たない。2019年、当時悠仁さまが通われていた中学校に不法侵入した男が、悠仁さまの机の上に刃物を置き去る事件があった。今年6月にも、宮内庁に刃物と皇室批判を連ねた手紙が送りつけられるという、耳を疑う出来事も起きている。
一方、『週刊新潮』(6月23日号)では、皇室の警備の根幹を担う皇宮警察による皇族方への「悪口」報道もあった。そうした現状を受けて、皇族の警備の強化は喫緊の課題だ。特に将来の天皇である悠仁さまの身はしっかりと護られなくてはならない。
「紀子さまが心中穏やかでないのは当然のことです。特に不法侵入の折には、悠仁さまが体育の授業のため普段の教室にいらっしゃらなかったことで難を逃れましたが、万が一のことも起こり得ました。
吉田氏であれば現場で培った警備についての知見が充分にある。既存職員への信頼がなかなか深められず、万事休すの紀子さまにとっては、“最側近”として迎え入れるに足る人物だったと言えます」(前出・別の宮内庁関係者)
吉田氏は近い将来、御用掛のみならず、最側近の立場から秋篠宮家を支える可能性もあるという。
「現在の皇嗣職大夫である加地氏は70才目前で、年齢的にそろそろ退任するものとみられています。吉田氏は加地氏の後任としての皇嗣職大夫含みで、ひとまず御用掛に着任したとみる向きもあります」(前出・宮内庁関係者)