対応を変える議員も
鈴木氏の教団追跡取材の中で接点が浮かんだ国会議員は103人。事件後に関係が発覚した議員を含めると168人に上る。うち実に132人が自民党議員だった。
教団配信映像やメディア資料、政治資金収支報告書、各議員のSNS、教団関係者からの情報提供などで関係を割り出したものだ。『週刊ポスト』は全員を一覧表にまとめた。
そのうち下村博文・元文科相、萩生田光一・政調会長、加藤勝信・厚労相、山際大志郎・経済再生相らは、安倍氏の銃撃事件前から鈴木氏が教団との関係を具体的に指摘してきた議員たちだ。「知らなかった」とは、絶対に弁解できないはずの人物たちなのである。
「彼らは今になってマスメディアの質問に『知らなかった』とは言えないが、とはいえ、『そうだ』とも言えないので、曖昧な回答に終始している。これまでの取材が効果を現わしていると思います。また、私の取材に答えていた内容と、今、大手メディアへの取材に対する回答内容が変わった議員もいる。二階(俊博・元幹事長)さんなんか、私の取材は無視でしたが、大手メディアの取材に対応している。そんな議員も多い」(同前)
そのうえで、鈴木氏はリストから浮かび上がる問題点をこう指摘する。
「(旧統一教会系メディアの)世界日報から取材を受けただけの議員と、金銭支援や選挙協力を受けている議員とは、統一教会との関係の度合いが違います。まずその濃淡を見ることができる。さらに議員個々の名前だけでなく、議員の役職、所属派閥などを線や面で見ていくと、統一教会がどのように政界工作をしてきたかの流れがわかる。
教団は政治家と関係を結ぶことで、教団の発展や組織防衛を目的にしていた。現在のような批判を浴びる状況になったとき、法人の解散命令に発展させないための保険として政治家の首根っこをつかまえておこうとしたわけです」(同前)