アンカリングとは、先に与えられた情報(アンカー)によって、その後の判断が影響を受けることだ。最初に提示された数字を基準にして、その後に提示された数字の判断が歪められる傾向でもある。いい例が、安倍元首相の国葬の概算費用だ。当初は2.5億円と言われていた額が、警備を含めると16.6億円になるという。メディアで「6.6倍に跳ね上がった」と驚きを持って報じられのは、このアンカリングが働いたからだ。
印象のアンカリングも同じようなもので、第一印象はなかなか変えられないと言われるのはこのためだろう。個人的意見であるが、竹内さんのイメージはこれまでの髪型がアンカーになっていた。それがいがぐり頭に変わってしまったため、どうにもイケメン感が薄れてしまったのだ。
「愛と復讐で、這い上がる」というキャッチコピーがついているこのドラマは、六本木を舞台に、復讐を誓った青年がその相手である業界トップの企業に屈することなく立ち向かってくという内容。主人公は正直で強い信念を持っており、最初のうちこそ、虐げられもがく姿を中心に描かれていたため、このヘアスタイルは合っていた。だが成功し、復讐とともにのし上がっていく主人公には、カッコのよいイケメン感が欲しくなってくるのは正直なところだ。
再現度が高いといわれた『六本木クラス』だが、シーンによっては状況や設定に無理があったり、あまりに展開が安易に進みすぎて、ストーリーが安っぽく感じたところもあった。原作をギュッと圧縮させたり、寄せすぎたという面が強かったようだが、ここにきてそんなマイナス要素も少なくなり、なかなか面白い復讐ドラマになってきた気がする。
竹内さんの髪型だけは、どうにも見慣れないけれど…。