芸能

『タイムボカンシリーズ』主題歌を手掛けた山本正之さん「あえて子供がわからない言葉を」

『タイムボカンシリーズ』の主題歌を手掛けた山本さんに聞いた

『タイムボカンシリーズ』の主題歌を手掛けた山本さんに聞いた

 数多くの名作を生み出してきたタツノコプロが、今年創立60周年を迎える。タツノコアニメに命を吹き込んだ、声優・歌手・スタッフたちの話から当時の制作舞台裏の様子を振り返る──。『タイムボカンシリーズ』の主題歌を手掛けた、シンガーソングライター山本正之さんに聞いた。

主題歌制作の依頼に思わずガッツポーズ

『タイムボカン』のオープニング主題歌や『ヤッターマン』の主題歌など、『タイムボカンシリーズ』の楽曲を多く手掛けたのが、シンガーソングライターの山本さんだ。

「1974年に中日ドラゴンズの応援歌『燃えよドラゴンズ!』で作詞・作曲家デビューをした私が、タツノコプロのアニメ主題歌を作曲することになったのは本当に偶然でした。デビューの翌年、落語家の笑福亭鶴光さんにコミックソングを提供したのですが、鶴光さんの担当ディレクターが、“『タイムボカン』という新しいアニメが始まるんだけど、かっこよくておもしろい曲を作れる人を同僚が探している”と、タツノコプロの担当ディレクターを紹介してくれたのです」

 幼い頃から時代劇や少年ドラマが好きで、映画音楽や主題歌の作詞・作曲を夢見ていた山本さんは、この話を聞いて思わずガッツポーズしたという。とはいえ、アニメの主題歌制作は初めてのこと。どのように曲をイメージしたのだろうか。

「『タイムボカン』は楽しくてかっこいいものという発注で、“楽しい”はすぐ出てきたんですけど、“かっこいい”を悩んでしまって……。それで思いついたのが、ブルースなどの音楽で使われるブギウギのリズムを参考にすること。主人公の丹平くん、ヒロインの淳子ちゃん、そして敵のマージョ、グロッキー、ワルサー、メインメカのタイムメカブトンの絵を机の上に並べて作詞・作曲をしました」

 歌詞の中には、「フィョフィョ」や「チュワチュワ」など、聞きなれない擬音が頻繁に登場するが……。 

「私のポリシーとして、あえて子供がわからない言葉を聞かせたいという思いがありました。『タイムボカン』の主題歌中にある“とにかく ひとまず なにより すなわち”などがそれ。その方が、たくさんの子供が、“どういう意味だろう”と興味を持って何度も聴いてくれると思ったんです。また、口ずさみやすいように、擬音を入れたり、合いの手を入れるようにしました」

 逆に、下品な言葉や悪口は入れないようにしたという。

「マージョ役の声優・小原(乃梨子)さんが“そういうのはやめましょう”と仰って(笑い)。だから明るく清らかな歌詞を心がけました」

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン