佐藤優(さとう・まさる)/1960年生まれ。元外交官。作家。近著に『日本共産党の100年』『プーチンの野望』など

佐藤優(さとう・まさる)/1960年生まれ。元外交官。作家

片山:ゼレンスキー大統領の「最後の一兵まで戦う」という発言はまさにドラマのセリフだったんですね。

佐藤:ゼレンスキー大統領自身は、主観的には、戦争を避けてウクライナの統一を維持したいと思っていたと思います。ところがシステムを動かした経験がない。そもそも彼の芸風は、志村けんさんの「バカ殿」なんですよ。彼の“笑い”は、まともな周囲の存在があって成立する。政治だってそうなんです。閣僚や側近の力を借りなければならない。実は、大統領のブレーンのほとんどは、このドラマの仲間や番組関係者たちなんですよ。

片山:ドラマに現実政治が飲み込まれてしまったわけですね。この30年間、ウクライナが目指した民主政治の帰結がそれだと思うと、皮肉ですね。

(第3回につづく)

【プロフィール】
佐藤優(さとう・まさる)/1960年生まれ。元外交官。作家。同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。2002年、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕。2005年に執行猶予付きで有罪判決。近著に『日本共産党の100年』『プーチンの野望』など。

片山杜秀(かたやま・もりひで)/1963年生まれ。慶應義塾大学法学部教授。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。専攻は近代政治思想史、政治文化論。近著に『尊皇攘夷 水戸学の四百年』など。

※小学館新書『危機の読書』巻末対談より

関連記事

トピックス

性加害報道のあった木下ほうか(前所属事務所のホームページより。現在は削除済み)
【LINE全文】木下ほうかが取り下げた性加害報道裁判「ヤダヤダって何度も言ってるのに無理矢理そのまま入れようと」「直接会って謝りたいです」 事件直後のやりとり34通
NEWSポストセブン
秋篠宮さまと紀子さま、英国王戴冠式で垣間見られた“不協和音” 悠仁さまの教育方針でも意見の食い違い
秋篠宮さまと紀子さま、英国王戴冠式で垣間見られた“不協和音” 悠仁さまの教育方針でも意見の食い違い
女性セブン
リナ・ローズ氏と高級スクール
「トラブルで辞める人多数」元保護者が激白する麻布の高級スクールへの違和感 本部あるビバリーヒルズ住所を調べた結果
NEWSポストセブン
逮捕されたガーシー容疑者(写真/共同通信社)
ガーシー容疑者、連行時の“不敵の笑み”はダークヒーローキャラを保つため?“暴露系”復活の可能性はあるか
NEWSポストセブン
内藤秀一郎
約190cmの長身イケメンで【クズ野郎】から【仮面ライダー】まで、売り出し中の俳優・内藤秀一郎の「謙虚すぎた」ロケ現場
NEWSポストセブン
(写真はイメージ)
暴力団幹部「ベンツなんてもう乗らない。トヨタの200万円だよ」ヤクザの高級車離れで“メンツよりもコスパ”の時代へ
NEWSポストセブン
御成婚30年を迎えるおふたり(写真/共同通信社)
御成婚30年の天皇皇后両陛下 喜びや悲しみを分かち合ってきた「愛と絆の歩み」
週刊ポスト
性加害報道のあった木下ほうか(前所属事務所のホームページより。現在は削除済み)
【証拠LINE】木下ほうか、裁判資料で明かされた「妊娠したらどうしよう」「着けてる」性加害疑惑直後の衝撃メッセージ
NEWSポストセブン
羽生
羽生結弦、あふれる地元愛 仙台市内のマンション最上階2部屋を2億円で購入 父の退職を機に家族で転居
女性セブン
2017年「侍ジャパン」の新ユニフォームを披露した筒香(時事通信フォト)
《元侍ジャパン主砲》筒香嘉智、現在の姿に衝撃走る かつては「牛のように食べる子供だった」男が激痩せする理由
NEWSポストセブン
2010年、外国人記者クラブで会見するリナ氏。当時はプラダジャパンで部長を務めていた(写真/AFP=時事)
「ピンクの猫好きプリンセス」返金トラブルの高級スクール創立者、家賃滞納の裏で「ビバリーヒルズ移転」「16歳の息子に代表交代」
NEWSポストセブン
猿之助の両親の死因は向精神薬の摂取による中毒死とされている
市川猿之助が“遺書”で宛てた付き人兼俳優 騒動後も平然と明治座に現れる姿に「恐ろしく精神の強い人」の声
女性セブン