アストラゼネカ製5770万回分のうち、国内で使ったのは12万回だけ

アストラゼネカ製5770万回分のうち、国内で使ったのは12万回だけ

 BA.1に対応するワクチンは自治体に約3100万回分が配られたが、10月13日時点の接種回数は約152万回にとどまる。第7波の収束によって従来型ワクチンの3回目、4回目接種も伸び悩んでいる。

「オミクロンはデルタに比べて致死率が圧倒的に低く、感染しても安全に社会復帰できることを多くの国民が知りました。新型コロナの症状がインフルエンザくらいのレベルになり、接種の必要性を感じない国民が増えたのではないでしょうか」(岡田さん)

 このままでは、ワクチンの大量余剰から大量廃棄の流れが現実味を帯びてくる。

「米国ではオミクロン対応ワクチンの接種率は開始3週間で2%と低調で、日本でも接種率は伸びないと考えられます。すると余ったワクチンが廃棄されるケースが増えるでしょう。また、オミクロン対応ではないノババックスワクチンを追加接種に選択する国民も少ないはずです。

 ノババックスは1億5000万回分購入しているので、例えば1000万回使われたとしても1億4000万回分が廃棄となるので、1回2700円として3780億円をドブに捨てる可能性があります」(小島さん)

 余ったワクチンはどうなるのか。改めて厚労省に聞いた。

「確かに契約時の総量は8億回接種分ですが、これから納入したりキャンセルしたりすることもあります。キャンセルや廃棄については何らかの形で公表することは検討するが、各社との契約もあり、アストラゼネカのときと同じ形式で公表するかは申し上げられません」(厚労省健康局予防接種担当参事官)

 血税のワクチンが無残に捨てられる。その不都合な真実から目を背けてはならない。

※女性セブン2022年11月3日号

国民の負担は増すばかり(写真/時事通信フォト)

国民の負担は増すばかり(写真/時事通信フォト)

関連記事

トピックス

愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
箱根駅伝では、沿道の多くの観衆からの声援が、ランナーたちへの大きな追い風になる(写真は2025年正月の往路“花の2区”。撮影/小倉雄一郎<小学館>)
箱根駅伝で古豪・日体大を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈2〉「観衆はみんなオレの味方」と考える究極のポジティブ思考
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン