国内

消えた暴力団グッズ、代紋入りペンやトイレ紙も 大量に買わされていた下部組織の本音

日用品も大量に買わねばならなかった(イメージ)

グッズ以外に日用品も大量に買わねばならなかった(イメージ)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、かつては盛んに行われていた暴力団のグッズ製造販売について。

 * * *
 昭和、平成、令和と時代が移り変わるにつれ、暴力団業界にとっては生き残るのが厳しい時代となってきた。稼業の世界に大きな影響を与えたものは何かと問うなら、1992年3月に施行された暴力団対策法、略して「暴対法」に加え、各都道府県が制定した暴力団排除条例、2015年8月に起きた国内最大の暴力団組織「六代目山口組」の分裂と抗争、そしてコロナ渦を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。

 そしてこれらの影響によって、なくなった商売がある。”グッズ販売”だ。「昔はすごかった」というグッズ販売について、暴力団幹部らに当時の話を聞いた。

「一時期は代紋がついたものを使用していた時期があった。湯呑や珈琲カップはもちろん、ネクタイにネクタイピン、ベルトのバックル、カフスボタン。ボールペンにも代紋がついていた」

 その頃は山口組でも稲川会でも住吉連合の名で知られた住吉会でも、多種多様なグッズが作られていたのだ。

「傘下の組は、これらのグッズを無理やり買わされていた。組員が10数人の所に200セットとか段ボールでバタバタと送られてきて、これどうすんだと思ったね」と幹部はいう。

 中には組が作ったビデオまで入っていたこともあり、「うちは10数人しかいないのに。どう見てもこれ、カタギに売れって言ってるよな」と組員らと頭を抱えたこともあったという。

「代紋入りのボールペンなど誰も買ってくれない。喜んでもらってもくれない。組で1人に10本ずつ配っても余ってしまう。それでもボールペンならまだ使えるが、カフスボタンなんて使いようがない。若いのなんて、カフスをするようなワイシャツなど着たことがないヤツらばかりだ。地元に行って、ちょっとした不良に『おい、これ、2000円にして10人に付き合わさせてこい』と命令するが、『えぇ、カフスボタンなんて、俺たち誰もしないすよ』と嫌な顔をされた」(暴力団幹部)

 そのような段ボールが数か月おきに送られてきたという。
「今月は何が来るんだ?」と幹部が組員に聞くと、
「ジャージの上下らしいですよ」
「ジャージの上下? いくらだよ」
「3万円」
「マジか…」

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
リモートワークや打合せに使われることもあるカラオケボックス(写真提供/イメージマート)
《警視庁記者クラブの記者がカラオケボックスで乱痴気騒ぎ》個室内で「行為」に及ぶ人たちの実態 従業員の嘆き「珍しくない話」「注意に行くことになってるけど、仕事とはいえ嫌。逆ギレされることもある」 
NEWSポストセブン
「最長片道切符の旅」を達成した伊藤桃さん
「西国分寺から立川…2駅の移動に7時間半」11000kmを“一筆書き”した鉄旅タレント・伊藤桃が語る「過酷すぎるルート」と「撮り鉄」への本音
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱親方と白鵬氏
旧宮城野部屋力士の一斉改名で角界に波紋 白鵬氏の「鵬」が弟子たちの四股名から消え、「部屋再興がなくなった」「再興できても炎鵬がゼロからのスタートか」の声
NEWSポストセブン
環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)
《不敵な笑みでテロ組織のデモに参加》“環境少女グレタ・トゥンベリさん”の過激化が止まらずイギリスで逮捕「イスラエルに拿捕され、ギリシャに強制送還されたことも」
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン