芸能

「こわして構築して前へ進んで」高田文夫氏が絶賛した勘九郎&クドカンの平成中村座

中村勘九郎が座長を務める平成中村座について(イラスト/佐野文二郎)

中村勘九郎が座長を務める平成中村座について(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、中村勘九郎が座長を務める平成中村座についてつづる。

 * * *
 浅草寺境内にて「平成中村座が再び」ときいて江戸っ子の血がさわぐ。十八世中村勘三郎のあの情熱を想い出し、胸にジーンと来るものがある。

 今回は息子の中村勘九郎、七之助、そして獅童らにその子供達まで馳せ参じ、若さと威勢の良さがテントの中にムンムン。なんたって目玉の芝居が(10月、11月)私も十八番とした古典落語『唐茄子屋政談』から『不思議国之若旦那』と来やがった。作・演出があの宮藤官九郎と名乗る悪党クドカンである。ここぞとばかりにやりたい放題。落語も歌舞伎もぶっこわしては再び構築して伝統から一歩前へと進んでいく。本来歌舞伎とはどんどん若い人が書き、その時代その時代でカブイていったものだ。

 クドカンの悪知恵だろうがなんと“大人計画”の荒川良々が出演し、場の空気も読まずかきまわしているのが大傑作。何か言われると「あっそれ、梨園のパワハラ?」と部外者がつぶやいているのがおかしい。『唐茄子屋』から獅童の江戸っ子が登場し、落語『大工調べ』の啖呵の言い立てになっていくのが小気味いい。

 それにしてもクドカン、何をやってもいいからと言って子供達の前で下ネタ、エロ小咄の『鈴ふり』をやるのはアハハどうかネ? 客席は全員、御婦人。股間でチリンチリンと鳴ったらみんな下を向いていた。このシーンだけ「WAHAHA本舗」かと思った。

 平成中村座を実現させた座長・勘九郎の手腕おみごと。天国できっとお父っつぁんは「まだまだ」と言ってるかもしれないけどネ。しかしこうして歌舞伎は大衆芸能の現役であり続ける。

 10月19日、まさにこれぞ大衆エンターテイメント、国際フォーラムA、5000人のおばちゃまの前で気持良く歌う「山内惠介のツアー」。当人もしゃべっていた。 どーーしてこんなに声が出るんだろう~~ッ。声が本当につき抜けて出ていた。デビューして22年の39歳。最も歌謡曲として脂の乗り切ってくる時期だろう。

関連記事

トピックス

1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
『あんぱん』“豪ちゃん”役の細田佳央太(写真提供/NHK)
『あんぱん』“豪ちゃん”役・細田佳央太が明かす河合優実への絶対的な信頼 「蘭子さんには前を向いて自分の幸せを第一にしてほしい。豪もきっとそう思ったはず」
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/五十嵐美弥)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン