中村勘九郎一覧

【中村勘九郎】に関するニュースを集めたページです。

中村勘九郎が亡き父への思い、子供たちへの思いを語った
中村勘九郎 父と同じ仕草をする長男を見て不思議な絆を実感
 この冬、中村勘九郎(39才)が初めて声優に挑戦。演じたのは、『劇場版ポケットモンスター ココ』に登場する幻のポケモン・ザルードだ。人間の子供を見つけ、“自分の子”として育てるという、 新たな親子の愛を描いた作品で、勘九郎が思いを馳せたのは、 父・勘三郎さんと、2人の息子たちだった──。 撮影時、ジャケットを羽織っていても感じられるたくましい肩と胸板に現場からワッと歓声があがると、中村勘九郎は途端に照れた表情を見せ、“肉体改造”の秘密をこっそり明かした。「これはね……役作りではなくリバウンドなんです(笑い)。2019年放送の『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(NHK大河ドラマ)で日本人初のオリンピック選手・金栗四三さんを演じるにあたり、精悍な体形を保つために撮影中はずっと炭水化物や糖質をセーブしていました。作品を撮り終えて、いざ自由に食べてもいいよとなると止まらなくなってしまって……。気がついたら、元のサイズよりも1サイズ上がってしまいました」 大好物は白米。撮影後の炭水化物解禁でそのおいしさを再確認したと、うっとり。そこには中村家のルーツも隠されていた。「もともと牛丼やカレーなどごはんが進むメニューが大好物で、家でカレーを作ってもらったら4日間は毎食カレーを食べています。大鍋にたくさん作ってもらって1食は家族みんなで、残りは小分けに冷凍してぼく専用のカレーに(笑い)。うちの父(十八代目中村勘三郎)も太りやすい体質で食べすぎないように制限していましたが、おじやが大好きでね。わが家では鶏の水炊きのシメは雑炊なのですが、子供の頃、夜中に水が飲みたくなって台所へ行くと父がパジャマ姿で食べていたものです。気がつけば、いまではぼくも同じことをしています。家族に見つからないようにこっそり土鍋からすくうおじやのうまいこと(笑い)。ちょっと冷えて味がしみている感じがたまらない。“父があの日に食べていたのはこれか!”と思いながら、やっちゃいますね」父は向こうへ行ったいまも守ってくれている ふとした会話から父との思い出がよみがえると、子供に戻ったようないたずらっぽい表情を見せた。そんな勘九郎の最新作は歌舞伎ではなく、映画。それもアニメ作品だ。12月25日公開の『劇場版ポケットモンスター ココ』では森を舞台に、ポケモンに育てられた少年・ココ(上白石萌歌)とココを育てた幻のポケモン・ザルードの親子愛を描き、勘九郎は森の掟に反してココを育てることを決めた“とうちゃんザルード”として、声優に初挑戦している。「父と子の物語なので、自分の父のこともすごく想いながら大切に演じました。ザルードは森の中で泣いているココを見つけて、“自分が育てなければこの子は死んでしまう”と父になる決心をするのですが、育てていくうちにココへの想いがどんどん膨らんで、大きな愛で包むようになる。その姿に自分も父から同じように守ってもらっていたんだな、向こうへ行ったいまも守ってくれているんだなと感じました」 父に似てきた自分の姿を感じつつ、自身の子を見ていて驚くこともあるという。「うちの子が父と同じ仕草をしていたのには驚きました。父には左のポケットに手を入れて歩く癖があって、それを長男(中村勘太郎)がそっくりそのまましていたんです。教えていないし、見たこともないはずなのにね。劇中ではココが喜んだときにザルードそっくりの仕草をするのですが、家族の絆というのは不思議なものですよねぇ」 そう語り、ザルードのぬいぐるみを愛おしそうに引き寄せた。とうちゃんザルードを演じたことで、いまでは自身の分身のような存在だ。「ザルードは純粋にかっこいいポケモンなので、配役が決まって”やったぁ!”とうれしかった。うちの子たちはゲッコウガなどかっこいいポケモンが大好きなのでスクリーンで見てきっとときめいてくれるんじゃないかな。でも実際に森で出会ったらどうだろう。ぼくは温厚な方なので、ちょっと乱暴な面があるザルードとはなかなか友達になりづらいかも(笑い)」ザルードの「見守る姿勢」に気持ちを重ねた 出演が決まり、小学生の息子2人にはすぐに報告をしたという。「すごいじゃん!」と大喜びで、その姿が何よりうれしかったとか。「詳しい内容は(口元に人差し指をあてて内緒のポーズ)、聞かれても言わなかったです。そこはなんとももどかしかったですね。ぼくがポケモンの声優をすることが発表されて、まわりのお友達がたくさん声をかけてくれたそうで、息子たちがうれしそうにする姿がたまらなかったですね」 わが子の話になると、勘九郎も“とうちゃん”モードで目尻を下げる。 劇中でも、赤ん坊だったココが少年となって自分の夢を模索する姿を見守るザルードに、父としての気持ちを重ねたと振り返る。「ザルードのようにかっこよく背中を押してやることはできないかもしれませんが、自分ができるサポートは全部してやりたい。長男は2021年、主人公のサトシと同じ10才になるのでポケモンマスターになりたいと言い出したら困っちゃうけれど(笑い)、何につけ、子供たちが自分でやりたいことを見つけることは大事ですし、最大限尊重したいと親としては思います。 長男は最近ダンスに興味を持って、スタジオを探しています。次男(中村長三郎)は絵が好きで習っています。歌舞伎の関連でも稽古事に興味を持てば、どんどんやらせているんです。そうやって親は子供の成長に合わせてさまざまなレールを敷いてくれていたんですよね」息子たちを夜中に寝かしつけていた思い出がよみがえり…… もともと涙もろいという勘九郎だが、今作は脚本を読んだ時点から、ずっと泣き通しだったのだという。「ザルードが親として成長していく様子に何度読んでもグッときてしまい、ちゃんと現場でアフレコができるのか不安なほどでした。ココが赤ちゃんのシーンでは息子たちを夜中に寝かしつけていた思い出がよみがえってうるっとしましたし、ラストでは親としてのザルードの心の声に涙を流しながら録音していました。 傍から見れば親なのでしょうが、ザルードと同じく、ぼくもまだ子供と一緒に成長しているという感覚が強いです。それでも息子たちが歌舞伎の世界へ入っておかげさまで初舞台を迎え、父から教わったことを彼らへ伝えられたときには“これが父から子へ受け継ぐということなんだ、親になったということなんだな”と実感もしました。子供の時期はあっという間なので家での時間も、彼らが子役として舞台に立つ歌舞伎で共演することも、いましかない親子の瞬間として大切にしていきたいです」 クリスマスは親子揃って劇場へ向かう予定だといい、ようやく“とうちゃん”の姿を見せられると声を弾ませた。■撮影/江森康之 取材・文/渡部美也※女性セブン2020年12月24号
2020.12.16 16:00
女性セブン
中村勘九郎、香川照之の息子に「急接近」している理由
中村勘九郎、香川照之の息子に「急接近」している理由
 12月1日から公演されている「十二月大歌舞伎」(東京・歌舞伎座)。第三部『傾城反魂香』の演目で、ドラマ『半沢直樹』(TBS系)で注目を集めた市川猿之助(45)と“夫婦役”を演じている中村勘九郎(39)が、記者会見(11月16日)でキャスティングについての意外な秘話を明かした。 各紙の芸能担当が集められたこの会見で、勘九郎は、主人公である吃音症の画家・又平を務める心意気とともに、「團子ちゃんには、僕からオファーしました」 と話したのだ。「團子ちゃん」とは、香川照之(55)の息子である五代目・市川團子(いちかわ・だんこ、16)のことである。團子くんは、この幕で狩野雅楽之助という重要な役を務める。「猿之助さんと香川さんはいとこ同士。團子くんと猿之助さんはプライベートでも仲が良く、芸の上でも猿之助さんが團子くんを『未来の猿之助』として目をかけています。コロナ禍で歌舞伎上演ができず、歌舞伎役者が動画配信を中心に活動していたときにも、猿之助さんは自分の対談の相手に團子くんを指名していたこともあり、てっきり團子くんの抜擢は猿之助さんによるものだとばかり思っていたのですが……」(演芸記者) 勘九郎と團子くんといえば、「中村屋」と「澤瀉屋」で屋号も違い、これまで主だった共演もない。その勘九郎が團子くんを“指名”したということに、現場はざわめいたという。 ところが、そこには意外な事実があった。「実は、勘九郎さんの長男で三代目中村勘太郎である七緒八くん(9)が、團子くんのファンなんです。團子くんと市川染五郎くん(15)が共演する『やじきた』のシリーズが好きで、観劇にいくと、勘九郎さんにねだって團子くんの舞台写真を買ってもらうそうです。勘九郎さんも、そんな息子の様子に目を細めていて、勘九郎自身がファンである日向坂46のコンサートに團子くんらを招待したと聞いています」(梨園関係者) 会見では、「役者は同じ空間で体験することが大事」「團子ちゃんにも四代目(猿之助)の傍でパワーを感じてとって欲しい」と話していた勘九郎。コロナ禍の中でも、次の世代にバトンは繋がれていく。
2020.12.04 16:00
NEWSポストセブン
加藤雅也が俳優業に対する向き合い方を話す
加藤雅也「作品の大小は関係ない。面白いと思ったら出る」
 映画史・時代劇研究家の春日太一氏による週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、俳優・加藤雅也が、初めて舞台に挑戦したときの思いについて語った言葉、そして四年前に中村勘九郎と舞台で共演して気づかされたことについて語った言葉をお届けする。 * * * 加藤雅也は『SAMURAI7』(〇八年)に主演するなど、近年では舞台にも挑戦している。「四十五歳ぐらいまでは舞台をやっていませんでした。怖くてしょうがなかったから。つかこうへいさんに何回か誘ってもらったこともありましたが、やり切れる自信がない。でも『怖い』とは言わず、『興味がない』という言い方をしていました。 だけれども、どこかでこれを超えないと俳優として飯を食っていけなくなるのではという思いがあった。そんな時に『SAMURAI7』の話が来ました。コマ劇場の主役ですよ。何十年も舞台をやっている人でも立てないコマでいきなり主役ですから、吐き気がしそうでした。 それで、もう一回やり直そうと若い人が通うようなワークショップに行く決心をしました。自分で電話して『勉強したいんですけど』って。ジョークだと思われたみたいです。 僕の中に一番あったのは、見栄とかプライドがあるからダメだと。それを外さないと『俳優』にはなれない。自分はまだ『タレント』の域にいる。 それでも最初はつらいから『なんでこんな所でやっているんだ』と考えることもありました。でも、その思い自体が間違っているんですよね。変なプライドを持っているということですから。それなら若い人たちから『やっぱり凄いな』と思ってもらえるように頑張るしかないと。そう思わせられない不安があるから、変なプライドで自分を美化するわけです」 この秋に一般公開される主演映画『彼女は夢で踊る』など、作品の大小を問わずに精力的に出演を続けている。「大小は関係ないです。とりあえず面白いなと思ったら出るようにしています。 それは『数の理論』です。中村勘九郎さんと四年前に『真田十勇士』という舞台をやらせていただいたのですが、年齢は僕より二十歳くらい下で、芸歴は同じ。でも、芝居のレベルが全く違うんです。それは、勘九郎さんが毎日のように舞台に立ち、磨き上げられたからだと思います。 それに比べたら、僕は圧倒的に少ない。何かを習得するためには、想像を絶する数をやらなければならないと改めて気づきました。 これは時間との勝負です。しかし、一日は二十四時間しかありません。あと二十年やれたとして、七十七歳です。健康を維持しつつ俳優をやれるのは七十までとすると、あと十三年しかありません。一年に十本やったとして、百三十本しかできません。でもその間に、勘九郎さんは何本やっているのか、芝居にどれほどの時間を費やしているのか──。この四年の間に、さらにその数の差は広がっているわけです。だから、追い抜くことは絶対にできません。 それなら、映画やテレビドラマだけでなく、ラジオもバラエティ番組も、片っ端から出演して、いつもオンの状態でやらない限り勘九郎さんの域に行くのは無理だと思ったんです。一本の映画から一つ得るのではなく、一本の映画から十の何かを習得しなければならないと」【プロフィール】春日太一(かすが・たいち)/1977年、東京都生まれ。主な著書に『天才 勝新太郎』『鬼才 五社英雄の生涯』(ともに文藝春秋)、『なぜ時代劇は滅びるのか』(新潮社)など。本連載をまとめた『すべての道は役者に通ず』(小学館)が発売中。■撮影/藤岡雅樹※週刊ポスト2020年11月6・13日号
2020.11.01 16:00
週刊ポスト
中村勘九郎と七之助で人気演目熱演、勘三郎さんに見せたい
中村勘九郎と七之助で人気演目熱演、勘三郎さんに見せたい
 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、大河ドラマから歌舞伎役者へと活躍が続く中村勘九郎についてお送りする。 * * *「いよっ中村屋!」思わず声を掛けたくなる中村勘九郎である。 御存じの通り『いだてん』で1年間まさに走り抜けた。大河ドラマ、今年は『麒麟がくる』が話題であるが、あれこれ衝撃を与えた『いだてん』が暴れたからこその沢尻問題である。 皆さんあまりちゃんと見てなかった様だが、宮藤官九郎と中村勘九郎、Wカンクローのガンバリで(少しは阿部サダヲも力を出していた)とても上質ないいドラマになっていた。 私は父の勘三郎と親しくさせてもらい、よく談志がらみで一緒に呑んだりした。傑作で豪快でサッパリした江戸のいい男だった。だから余計若旦那の事が気になる(まるで法事に来たおせっかいな遠い遠い親せきのおじさんのようである)。 ドラマも終わってひと段落、また歌舞伎役者に戻っているというので久しぶりに会った。顔もスッキリしてアスリートのよう。「これでも舞台用の身体にもどったんですよ。舞台は大きくなくてはいけませんから」とまだ金栗四三の面影を残してさわやかに言う。「途中親しくしてた足袋屋がいなくなっちゃって心配だったろ?」(ピエール瀧の途中降板を遠まわりに言う私は大人である)。 勘九郎は実直に「ああいう問題は勿論いけない事ですが、僕はなんか近くて親しい人がいなくなっちゃって、TV見てても、ちゃんとあの人ゴハン食べてるかなとか気になっちゃって」。根っから優しい男なのだ。私が「あの足袋屋がのちに厚底の凄いシューズ作って、それ履いて勘九郎が札幌を走りゃいいんだよ」と言ったら嬉しそうにアハハと少年時代の顔で笑った。 プレッシャーも様々あって大変だったと思う。「時間があいたら何してるの?」「ライブですネ。息子二人も連れていって乃木坂、欅坂、日向坂の三坂をめぐってます」。歌舞伎役者として、あのパフォーマンスも刺激されるらしい。ファンが掛け声を舞台にかけるのが歌舞伎と同じだと、目をキラキラ。 私思うにその大昔“女流義太夫”に追っかけが付いていい所で掛け声「どうする! どうする!」。あれと同じだろうと思う。 三月の明治座が楽しみ。昼は「一本刀土俵入」、夜が弟・七之助と(ますます美しさに磨きがかかっている)鶴屋南北ならではの人気演目「桜姫東文章(あずまぶんしょう)」。手とり足とり監修指導はあの坂東玉三郎。勘九郎と七之助兄弟での濡れ場ときちゃ、もうたまらない。父上にみせたいネ。■イラスト/佐野文二郎※週刊ポスト2020年3月13日号
2020.03.06 07:00
週刊ポスト
海老蔵主導の「歌舞伎役者の働き方改革」に困惑する人たち
海老蔵主導の「歌舞伎役者の働き方改革」に困惑する人たち
「歌舞伎界にも働き方改革」──こんな見出しがスポーツ各紙に躍ったのは、1月21日のことだった。 松竹は4月から歌舞伎公演に新たに休演日を設定すると発表した。歌舞伎興行は江戸時代から、原則ひと月25日間、昼夜2部制で連続上演されていた。しかし長時間労働が俳優に及ぼす影響を考え、改善した形だ。 この「働き方改革」の立役者となったのが5月に13代目團十郎白猿を襲名する市川海老蔵(42)だ。1月14日、自身のブログで、〈私 一生懸命に 色々話を進めていまして(中略)早ければ今年の四月から中日辺りに休みとなる事が現実になるかもしれません。私の襲名時には 必ずそうなるように頑張ります〉 と俳優たちの「労働環境改善」への意気込みを明かしていた。 SNS上では、ファンから「歴史的な改革だと思う」「これからのためにも本当によかった」と喝采の声が上がった。だが、その影で、歌舞伎の舞台を支える「地方」(音楽を担当する演奏家)たちからは戸惑いの声が上がっている。ベテラン芸能記者が話す。「俳優と違って地方は日給制が多く、それは人間国宝を代々輩出するような名門の御曹司でも変わらない。休みが増えるということはそれだけ収入が減るということで、彼らにとっては死活問題です。江戸時代から続く名家の跡継ぎが『これ以上収入が減ると生活ができず、廃業も考えている』と話すこともあったそうです」 海老蔵や片岡愛之助、中村勘九郎などスターの登場で「歌舞伎ブーム」が起きて久しい昨今、歌舞伎俳優の志望者は増加しているという。 しかし、舞台に欠かせない歌舞伎の音楽を学ぶ国立劇場の養成所では、2019年度、義太夫や三味線などを学ぶコースへの応募者はゼロ。開講中止という異常事態を迎えていた。 海老蔵が推し進める「歌舞伎界・働き方改革」は伝統芸能の将来をどう変えるか。※週刊ポスト2020年2月7日号
2020.01.29 07:00
週刊ポスト
『いだてん』、最低視聴率に終わっても「名作」と言えるワケ
『いだてん』、最低視聴率に終わっても「名作」と言えるワケ
 NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』の全47回の平均視聴率が関東地区で8.2%、関西地区で7.1%(ビデオリサーチ調べ)となり、大河史上最低となった。視聴率は低迷したものの、評価が低かったわけではなかった。『いだてん』を「名作」と言い切る時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが振り返る。 * * *『いだてん~東京オリムピック噺』が終わった。宮藤官九郎がタクシードライバー役でひょっこり顔を見せるあたり、いかにもこのドラマらしい最終回だったと思う。 それにしても『いだてん』ほど、「面白い」とコラムを書いたり、コメントを出すたびにさまざまな反応をもらった大河ドラマはなかった。コラムを読んだという方に呼び止められ、「こんなドラマをほめちゃいかん」と20分近く語られたこともある。出演者や視聴率についてもずいぶん騒がれた。 ここでは『いだてん』を名作だと思っている立場から、勝手に反省会をしてみたいと思う。  第一話を見たとき、正直「大変なことになる」と思った。それは従来の大河ドラマファンには容易に受け入れられないだろうと感じたからだ。一話は昭和34年、東京オリンピック開催決定の場面からスタート。それから明治になったり、昭和になったり。まさしく、いだてんのスピード感でドラマが展開する。 主人公の金栗四三(中村勘九郎)や田畑政治(阿部サダヲ)、日本のオリンピック初参加を決めた嘉納治五郎(役所広司)を、よく知らない視聴者も多かったに違いない。過去にも『おんな城主直虎』の直虎(柴咲コウ)や『花燃ゆ』の杉文(井上真央)のように無名の主人公はいたが、それらにはたいてい織田信長、吉田松陰など大河ドラマではおなじみの歴史の大人物が登場する。「今度の信長は誰?どんな風に演じる?」と確認に近い見方もする視聴者も多いのだ。『いだてん』は、今までほとんど知られていなかった出来事もどんどん盛り込む。たった二人の選手から日本五輪の歴史が始まったこと、戦前のロサンゼルス五輪のエキシビジョンで日本選手団がふんどし姿で「日本泳法」を披露したこと。オリンピックのための競技場から学徒が出陣していったこと、戦時中には「禁演落語」があったこと、1964年の東京五輪の聖火が沖縄を走って人々を勇気づけたこと。オリンピックと戦争は大きなテーマだった。東京オリンピック開催を戦争のために「返上」すると決まった際、田畑は叫ぶ。「総理大臣に電話するなら、(オリンピックでなく)戦争をやめると電話してくれ!」 スポーツを女性たちの活躍から描いたことも新しかった。大正期、「女子の体育ば、俺はやる」と決意した四三の教え子の女子学生が、靴下を脱いで走っただけで、親や世間から非難される。彼女たちは教室に立てこもり、「靴下を脱いだくらい何が悪い」とおとなたちに問うのだ。 日本初の女子オリンピック選手人見絹江は、短距離で結果を出せず、「このままでは日本に帰れません」と泣きながら訴えて出場した800メートル走で見事銀メダルを獲得。彼女は国内で記録を出しても「怪物」と呼ばれていたのだという。そして、特訓につぐ特訓を続ける女子バレー、東洋の魔女たち。これ以上、青春を犠牲にしなくていい、嫁に行けという鬼コーチに対して、川西選手、通称ウマ(安藤サクラ)は「これが私の青春」ときっぱり言い切るのだ。 今まで知らなかったことを知る。知っていろいろ考えさせられるのがテレビの醍醐味だ。田畑が浜松で選挙演説をした際にチラリと映った「原子マグロは買いません」の張り紙など小ネタも含め、攻め続け、走り続けた『いだてん』はやっぱり面白いドラマだった。以上、勝手に反省終わり。
2019.12.20 16:00
NEWSポストセブン
視聴率低迷『いだてん』 受信料無駄遣い国会審議入りの声も
視聴率低迷『いだてん』 受信料無駄遣い国会審議入りの声も
 NHKにとって、釈然としない2週間だったのではないか。10月13日放送の大河ドラマ『いだてん』は、裏番組のラグビーW杯「日本vsスコットランド」戦の煽りをもろに受け、視聴率3.7%と大河史上最低の視聴率を記録した。その翌週の20日、逆に、総合テレビの同枠で「日本vs南アフリカ」を放送する立場となり、視聴率は41.6%と、驚異的な回復を見せた。「もともとBSでの放送予定が、日本が予選リーグを1位で勝ち上がったため、地上波でも放送されることになったんです。上層部は上機嫌だそうですが…」(NHK関係者)『いだてん』は初回こそ15.5%とまずまずのスタートを切ったが、6話にして1ケタ台に転落。その後は5~7%と低迷し、浮上の兆しはおろか、沈み続けている。コラムニストの吉田潮さんが低視聴率の原因を指摘する。「これまで大河ドラマであまり取り上げられてこなかった近現代史で、学校でもほとんど教わってこなかった内容なので視聴者が興味を抱きにくい。しかもテンポが速いうえ、アスリート編と落語編で時代が行き来してしまい、視聴者が混乱したことも理由だと思います」 その『いだてん』の“体たらく”によって、大河ドラマにメスが入るという。 NHKは公共放送として国民の受信料で成り立っている。それゆえ毎年度の予算は国会の承認を得ることが放送法で定められている。全国紙政治部記者はこう語る。「毎年、通常国会でNHKが組んだ次年度の予算が審議され、承認を得るという流れですが、来年は『いだてん』の低視聴率がやり玉に挙げられるのは確実だそう。大河ドラマは1話の制作費が衣装やセットなど含め、1億円かかるといわれている。そんなにお金をかけているのに視聴率が取れないので、“受信料の無駄遣い”が指摘される、ということのようです。 昨年の審議でNHK側は大河ドラマについて“視聴者のニーズや時代の動きをくみ取って企画を決定している”と答えていただけに、“本当にニーズに合っているのか?”という質問がされることが予想されます」 NHKは、来年の国会での審議について、「そのような情報は、把握しておりません」(広報部) と答えた。 来年の『麒麟がくる』は、大河ドラマの原点ともいえる明智光秀が主役の戦国時代が舞台。巻き返しなるか――。※女性セブン2019年11月7・14日号
2019.10.24 16:00
女性セブン
『いだてん』、存在感が際立つ“Wしのぶ” 別役で再登板も?
『いだてん』、存在感が際立つ“Wしのぶ” 別役で再登板も?
 視聴率低迷に苦しむNHK大河ドラマ『いだてん』だが、注目すべきポイントは実は多い。その演技で存在感を見せているのは、大竹しのぶ、寺島しのぶという“Wしのぶ”だ。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが解説する。 * * * 大河ドラマ『いだてん』には、明治・大正期と昭和30年代、ふたつの時代をめまぐるしく行き来したり、語り担当の古今亭志ん生(ビートたけし、森山未來)が毎回出てくるなど、これまでの「大河ドラマ」とは一味違う特長がいろいろある。 しかし、『いだてん』が過去の大河ドラマと一番違うのは、登場人物がかなりのおっちょこちょいということである。そもそも序盤、「大日本体育協会」の嘉納治五郎(役所広司)はほとんどその場の勢いで「参加します!!」と日本のオリンピック初参加を決めてしまう。その嘉納先生に憧れる主人公・金栗四三(中村勘九郎)も、ストックホルム五輪に自腹で参加、8年後のアントワープ五輪の際には、結婚したこともひた隠しにし、勤務していた学校を勝手に辞めてしまう。 このほか、若き志ん生は浜松あたりでフラフラしてるし、四三の親友の美川(勝地涼)は浅草の遊女とワケありで四三の下宿に転がり込んでいる。おろおろ&うろうろ。戦国時代の物語だったら、全員、とっくに切腹か討ち取られていただろう。 そんな男たちのおろおろをどっしりした柱のごとく支えているのが、ふたりの「しのぶ」。四三の養母となった池部幾江(大竹しのぶ)と海外で女子体育を学んできた二階堂トクヨ(寺島しのぶ)である。 幾江は、地元熊本の名家・池部家を女手一つで取り仕切るゴッドマザー。いつも口をへの字にして、髪を結いあげ、和装で男たちににらみをきかせるその姿は、まるで「ひとり犬神家の一族」である。東京で「オリンピックバカ」生活を続ける四三の動向を知るたびに憤慨し、そのうっぷんを近所に住む四三の兄・実次(中村獅童)にぶつけにくる。「さねつぐぅぅぅぅ!!」 地に轟くようなこんな声を大竹しのぶが持っていたとは。あまりの迫力に実次は即座に平謝り。幾江から「まだ、何も言っとらん!!」と叱られる始末。宮藤官九郎の筆は、こういう場面で冴え渡る。 大竹しのぶといえば、1999年の大河ドラマ『元禄繚乱』で、勘九郎の父、故・中村勘三郎演じる大石内蔵助の妻・りくだったことを思い出す。しっかり者の嫁りくは、「しっかりなされませ」とどこかぼんやりした内蔵助のふんどしをきりりと締めつけていた。当時から大河の隠れた柱だったのだ。 一方、寺島しのぶが演じるトクヨは軽やかなダンスなど先進的な女子体育教育を推進しつつ、アントワープで惨敗した日本選手団を糾弾。丸眼鏡が三角に見える勢いでしかりつける。まじめに怒れば怒るほど、なぜか面白い。『アルプスの少女ハイジ』のロッテンマイヤーさんか。 こうなると気になるのは、昭和篇で、Wしのぶを超える「柱」が出てくるかということだ。昭和の主人公・田畑政治(阿部サダヲ)も偉業を遺したとはいえ、現場ではかなりのおろおろ男。きりりと引き締める存在がいないと、ドラマ全体が落ち着かないだろう。 もしかして、またしのぶが別の役で出てくるとか? 先日の回で、森山未來が志ん生一家の三人(志ん生と息子の金原亭馬生、古今亭朝太)をひとりですべて演じたのには、びっくりしたが、それを考えれば、しのぶ再登板などは、どってことない! しのぶはやります。どちらのしのぶも。
2019.06.02 16:00
NEWSポストセブン
『いだてん』は豪華キャストで描かれる
『いだてん』の難局 大河ドラマ史上最低視聴率を招いた理由
 注目度の高い枠だけに結果は厳しく検証される。現状は「難局」といわざるを得ないだろう。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏がNHK大河ドラマを分析した。 * * *「これまでの大河ドラマはどんなに評判や視聴率が悪くてもすべて観てきた。でも今回はもう我慢しない」 長年の大河ドラマファンである知人が、いきなり口にした離脱宣言。聞いた時は驚きました。 しばらくして、『いだてん~東京オリムピック噺~』の数字がたいへんなことになっている、というニュースが駆け巡ったのです。何でもNHK大河ドラマ史上で最低の7.1%(関東地区)を記録した、とか。その時、浮かんだのはやはりこの知人の顔でした。 というのも、この人はかなり「保守」的です。簡単には生活習慣を変えない人。行きつけの飲食店もファッションのテイストも旅行先も、それぞれきちっとお気に入りが定まっています。 そして大河ドラマファンを自称しアイデンティティとしてきた彼女なのに。ここにきて、突然堪忍袋の緒がプツッと切れてしまったのだとしたら…。いったい何がおこっているのでしょうか? もしかしたら視聴率が示しているのは、この人のような視聴者が続出しているということなのでしょうか? 人が「大河ドラマを視聴する」理由とはいったい何なのか。ちょっと大げさに考えてみると……。 歴史が好き。時代劇が好き。主役の俳優がお気に入り。戦国武将のゲームにはまっている。大河ドラマ枠そのもののファン。よく知らなかった知識を得られるお得感。民放と比べて作りが上品だから好き……いろいろと理由はありそうです。 冒頭の知人にとって大河ドラマとは「知らない歴史を知ることができる」格好の教科書だったのです。 名前は知っていても、実はよくわらかない歴史上の人物が本当はどんなことをしでかしたのか。どんな事件や出来事が絡んでいたのか。人間としてどんな苦悩があったのか。 うやむやにしてきた過去のお勉強について、今更人には聞けない。けれど、大河ドラマを観れば、いきいきとした輪郭がわかる。歴史を学び直すことができる。誰かに聞かれた時にも説明できる「私」になれる──そのあたりの潜在的欲求って、意外と大きいのかもしれません。「こっそり勉強」のニーズに応えて人気となったNHKの番組は他にもあります。「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られて喜ぶという『チコちゃんに叱られる!』や『ブラタモリ』といった蘊蓄知識系番組のヒット要因ともどこか共通していそうです。 とにかく、大河ドラマファンの場合、テーマが多少気に入らなくても、主役の俳優が好きじゃなくても、各視聴者にとって意味のある理由を一つでも満たしてくれるのなら1年間毎回、忠実に最後まで観続ける。それが基本的態度だったのでは。 しかし、今回はちょっと様子が違う。なぜなのでしょう。『いだてん』を、ドラマの3要素から観察してみると──。【1】「時代」 お定まりの戦国~江戸時代ではなく、明治・大正・昭和という近現代。【2】「主人公」 教科書に記載されるような有名人「ではない」。【3】「物語」 主人公を中心に一本軸が通っているのが大河のスタイル。しかし今回は複数の主人公的デュアルな展開。 と、ことごとく異例尽くしです。上記三つの要素を一つだけハズすならまだしも、全部を定石からハズしたことが視聴率の低下につながった、と言えないでしょうか? 【1】の「時代」は、大河枠ではせいぜい明治維新あたりまでしか馴染まない傾向があり、【2】の主人公も、ストックホルム五輪へ日本人で初参加したマラソン選手・金栗四三(中村勘九郎)について、たとえ知ったとしても歴史を学び直す快感にはほど遠い。【3】の物語の作り方も、「マラソンと落語」が相互乗り入れし、二つの素材をドラマの中に入れ込んだため話がゴチャゴチャしてわかりにくい。 脚本担当のクドカンが自分の好きな落語にこだわりすぎてオリンピック話が崩れた、といった批判もあります。がしかし、クドカン一人を戦犯にするのは早計でしょう。クドカンにはクドカンにしか書けないホンがあるから。 落語愛にあふれたドラマ『タイガー&ドラゴン』(TBS系2005年)なんて実に素晴らしかったし、『あまちゃん』(2013年)ではアイドルをNHK朝ドラに取り込んでみせた。『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系2016年)ではゆとり世代の葛藤ぶりを空気までリアルに表現してみせました。まさしくドラマ史上の個性的傑作と言えるでしょう。 今回の事態を一言で表せば、「大河ドラマという超保守枠とクドカンがあまりにフィットしなかった悲劇」かもしれません。 大河ドラマのメイン視聴者はよい意味でも悪い意味でも「保守的」な傾向があり、もうダメと思ったら自分を変えてまでついてこようとはしない──という、もっともらしい説を今後いかに覆すことができるのか。「やっぱりもう一度、見始めたの」と知人が報告してくる日は来るのでしょうか。いずれにせよ、大胆ないだてん構造改革は必須のようです。
2019.05.11 16:00
NEWSポストセブン
高良健吾が新作映画で見せるラブシーンは「コスパ抜群」評
高良健吾が新作映画で見せるラブシーンは「コスパ抜群」評
 高良健吾が出演する映画『多十郎殉愛記』が公開前から話題を呼んでいる。ふんどし、ラブシーンなど、見どころ満点の新作時代劇について、コラムニストで時代劇研究家のペリー荻野さんが解説する。 * * * 先日、このコラムでは「日本ふんどし協会」が認定する昨年度の「ベストフンドシスト」の「期待の新人賞」に映画『麻雀放浪記2020』で、ふんどし姿で大暴れしている斎藤工が選ばれたことを書いた。そして、2019年度の「ベストフンドシスト」の有力候補は『いだてん』で「ひゃ~!!」奇声を発しつつ毎日、冷水浴を続ける主人公・金栗四三を演じる中村勘九郎ではないかとも書いた。 しかし、ここへきて、もうひとりの有力候補が現れた。12日に公開される映画『多十郎殉愛記』に主演した高良健吾である。 物語は、幕末の京都で自堕落な日々を送る剣豪の浪人・清川多十郎(高良)と彼を慕って面倒を見るワケありの女おとよ(多部未華子)の悲恋が軸となる。貧乏長屋で、ふんどしに背中に着物をひっかけただけの姿で、物憂げな表情の多十郎。ダメダメなのになんともいえない色男だ。『いだてん』の四三が体育会系なら、多十郎は美術系。ふんどしが真っ白じゃないところもこの映画のこだわりと見た。 かつて高良健吾は、映画『武士の献立』では料理侍、大河ドラマ『花燃ゆ』では幕末の熱血男・高杉晋作、CMではスマホも使うが移動は馬というキリンの「淡麗侍」など、さまざまな侍を演じてきたが、私が記憶する限り、ふんどし姿が印象的なのは、この多十郎だけ。よくチラリと見えるように撮ってあるんだ、これが。 すっかり「ふんどし」の話ばかりになってしまったが、映画の見どころはもちろん、そればっかりじゃない。監督・脚本は『極道の妻たち』などで知られる84歳の中島貞夫。レジェンド監督の約20年ぶりの新作であり、監督補佐には『私の男』で高く評価されている中島監督の教え子・熊切和嘉監督が参加していることでも注目されている。 やがて、長州藩脱藩の多十郎は、京都の治安維持を強化する見廻組に見つかり、大勢の捕り方に追われる身となる。後半、追手の隊長・寺島進との一騎打ちシーンや竹林を駆け回る30分もの逃走劇は、昭和の映画全盛期のチャンバラ映画を思わせるすさまじさだ。小難しい説明は一切なし。走って斬って、また走る。しかも、よく見ると、多十郎は名うての剣士なのに、そんなに人を斬ってない? なんで? 監督は、きっとこういうチャンバラがやりたかったんだとわかってくる。さらに、もうひとつ「瞬間的」ともいえる多十郎のラブシーンがあるのも重要だ。なななんと、そこですか。しかも、こんな短い!でも、熱い! 監督、コレもやりたかったんだ…。 ほんの少しなのに観た者に強烈な印象を残すラブシーン。派手な衣装も豪華なセットもないのにぐっとくる。ひょっとすると、めちゃくちゃコスパのいいラブシーンと言えるかも!? それなのにタイトルが「殉愛」となっているのも、気になるところ。美術系ふんどしと「殉愛」の行方を見届けたくなる。監督の作戦にうまうまと乗せられてしまうのが、この映画の正しい鑑賞法なのである。
2019.04.10 07:00
NEWSポストセブン
送検されるピエール瀧容疑者/時事通信
ピエール瀧コカイン逮捕 『いだてん』に囁かれる代役の名前
  ピエール瀧こと瀧正則容疑者(51)がコカイン使用容疑で逮捕されたことで、大河ドラマ『いだてん』が窮地に立たされている。 瀧が演じるのは履物店「播磨屋」の主・黒坂辛作。主人公・金栗四三(中村勘九郎)のマラソン用足袋を開発する重要な役どころだ。「これからの物語で、『金栗足袋』を開発する黒坂はますますキーマンになっていく。今後、瀧をドラマに登場させないのは決定事項だが、それならどうストーリーを進めていくのか。すでに撮影は6月放送分まで済んでいるため、脚本の宮藤官九郎さんやスタッフの間で侃々諤々の議論が起こっている」(NHK局員) 最終的な決定は脚本家の意向が大きいものの、NHK局内では様々な意見が飛び交っているという。「有力なのは、そのまま代役を立てるという案。これならシナリオの変更は必要ない。語り部である古今亭志ん生役のビートたけしさんに“まァ、年取ってちょっと顔が変わったけど気にしないでください”なんて言わせれば洒落ている。せっかくなら市川海老蔵さんあたりの大物に頼めば、視聴率低迷の打開策になる、という声まであがっている」(同前) あるいは「脚本を変更する」というパターンもある。「今回の大河は、わざわざ“史実を基にしたフィクション”と強調している。たとえば金栗の妻になるスヤ(綾瀬はるか)が、その前に別の男性と結婚していたという描写は史実とは異なるものです。だから“播磨屋店主が死んで、別のキャラクターがその遺志を引き継いで開発する”という設定に変更してもいいのでは。播磨屋に出入りしている車屋の清さん(峯田和伸)あたりが適任かもしれない」(別のNHK関係者) クドカンやプロデューサーはどの道を選択するのか。どんなウルトラCがあるにせよ、“いだてん”のように迅速な決断が求められる。※週刊ポスト2019年3月29日号
2019.03.17 16:00
週刊ポスト
高橋一生をライバル視!?
斎藤工ら受賞のフンドシアワード、次の有力候補に勘九郎浮上
 世の中には意外なアワードがあるものだ。「ベストフンドシアワード」に注目が集まっている。次の有力候補まで…。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが芸能界のふんどし事情について綴る。 * * * 2月14日といえば、バレンタインデーだとばかり思っていたが、近年は「ふんどしの日」でもある。2を「ふう」、14を「どし」…確かに。語呂合わせ好きの私は、さっさと納得だ。 そして、先日、「日本ふんどし協会」により、恒例の「ベストフンドシアワード」の「ベストフンドシスト」が発表された。昨年、もっともふんどしで奮闘したと評価され、もしくはふんどしを愛用してほしいと協会から熱望されるプロフェッショナルとして大賞を受賞したのは平成ノブシコブシの吉村崇だった。さらに今年から新設された「期待の新人賞」には、俳優・映画監督の斎藤工が選ばれた。 実際に“ふんどしダンサー”として活動した吉村が大賞というのはわかるが、斎藤って、ふんどししてたったけ? と思ったら、この「フンドシアワード」の規定では、「今年、ふんどしの普及における活躍が期待できるプロフェッショナル」として選ばれているのである。ふんどし協会HPによれば、4月公開予定の映画『麻雀放浪記2020』において、斎藤はふんどし姿になって大暴れし、時代の寵児になっていくのだという。まだ公開されていない映画のふんどし姿が評価されるとは!ふんどし未来志向。 興味深いのは、過去の大賞受賞者である。2011年度・安田大サーカスの団長安田、2012年年度・住吉美紀(愛用者と公言)2013年度・古田新太(映画『押忍!!ふんどし部』に出演)、2014年度・サンプラザ中野くん、2015年度・とにかく明るい安村、2016年(該当者なし)ときて、2017年は映画『帝一の國』や大河ドラマ『おんな城主 直虎』でのふんどし姿が評価された菅田将暉が受賞している。 菅田は受賞公式コメントでは「気が引き締まる」「雄々しさがある」「逃げ道がない感じ」とふんどしへの思いを語った。逃げ道…。菅田は友人とふんどし飲み会を企画しているとうれしそうだったが、もう実行したのだろうか。とにかく、世の中にはこんなにもふんどし関連のエンタメ、人物が存在するんだと初めて知った。 私は時代劇取材が多く、ふんどしシーンを目撃することもある。大立ち回りで剣豪の着流しのすそがはだけてチラリと見えるふんどし。そのチラリがカッコよく決まるよう、小道具さんがふんどしの裏の角に重り替わりの硬貨を張り付けて、めくれあがったりしないようにしたなんて話も聞いた。ふんどしの表現力はなかなかのものなのである。 そうこうはするうちにも、次の「ベストフンドシアワード」の賞レースは始まっている。今のところ、もっとも「ふんどし寄り」の人物といえば、やっぱり毎朝、「冷水浴」を欠かさない大河ドラマ『いだてん』の主人公・金栗四三(中村勘九郎)だろう。気合が入っているのである。オリンピックのマラソンの結果はともかく、ベストフンドシアワード2019では、金栗四三の独走か!?  なお、2月14日は「ふんどしの日」で、3月14日は「ふんどし返しの日」だという。返しもあるんだ。ふんどし世界は、まだまだ奥が深い。
2019.03.06 07:00
NEWSポストセブン
『いだてん』には構造改革が必要か
『いだてん』はこれまでの大河ドラマの手法と違う画期的作品
 宮藤官九郎氏脚本によるNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』の視聴率低迷が止まらない。2月17日放送の第7話は視聴率9.5%で“自己最低”を記録した。視聴率ばかりが話題になるが、作品そのものはどうなのか。コラムニストで時代劇研究家のペリー荻野さんがスバリ指摘する。 * * * そんなわけで、大河ドラマ史上、最速で視聴率がひとケタを記録したとか、明治と昭和の場面の入れ替わりがわかりにくいとか、いろいろと言われている『いだてん』。おそらく、これまでの大河ドラマのイメージとはまったく違うことで違和感を覚える視聴者が多いということなのだろう。では、なぜ、違和感を覚えるのか? それはこのドラマが、「一番大きな出来事を小ネタのように見せる」という過去の大河ドラマとは、正反対の構造になっているからだ。 第一話。講道館柔道の創始者で、日本スポーツの父と呼ばれる嘉納治五郎(役所広司)は、フランス大使から日本のオリンピック初参加を打診され、大張り切り。ところが周囲は猛反対。「体格の劣る日本人が競技に出れば死人が出る」とまで言われ、仕方なく、断るつもりで大使館に向かったものの、新しいオリンピックのポスターに日の丸が描かれているのを見て感動。その場で「参加します!!」と宣言してしまう。 あれ? これって、日本がオリンピック初参加を決めたすごい場面でしょ? なのに、ウハウハうれしそうな治五郎先生の思いつき、面白シーンみたいに描いちゃってよかったの!? でも、すごく面白いんですけど!  その後も、主人公の金栗四三(中村勘九郎)が、羽田のオリンピック予選会で、ゴールした場面でも、当時のマラソンの世界記録を打ち破った彼の大記録よりも、目立ったのは「雨で帽子の赤い染料が溶け出して顔が血だらけに見える四三」だった。さらに昭和になり、東京オリンピック開催を決定的にしたIOC総会の場面でも、平沢和重(星野源)の名スピーチよりも目立っていたのは、もうひとりの主人公・田畑政治(阿部サダヲ)が、落ち着きなく、煙草の火がついたほうを口にくわえてあちゃちゃちゃとやってる場面だったりする。『いだてん』は、日本の一大事が、小ネタのごとく出てくるという特殊構造なのである。一方で、過去の大河ドラマはどうか。たとえば、坂本龍馬の物語では、滞在する寺田屋が捕り方に囲まれた際、のちに龍馬の妻となるおりょうが風呂場から半裸(全裸?)でそのことを龍馬に伝えたとされている。もちろん、名場面で私も好きな逸話だが、ここでは事件よりも「おりょうが半裸」ということが大事になって、「そろそろ放送ですか」「どんな場面に」と関心が集まる。小ネタなのに大きな歴史に見える構造なのだ。 小ネタ、逸話をドラマチックに盛り上げて大事件に見せるのは、ドラマ作りの王道。しかし、ドラマチックな場面を小ネタに見せる『いだてん』はその逆を突っ走る。いわば逆走系。これまでの大河ドラマを求めたら、違和感も当たり前だ。だが、テレビとは「今までに見たこともないもの」を探し続けるメディアではなかったか?  ドラマの中で、まだオリンピックを見たことがなかった治五郎先生は問う。「楽しいの? 楽しくないの? オリンピック」。これは、このままこのドラマにも通じる問いかけだ。「楽しいの? 楽しくないの? いだてん」。 答えが出るのは、まだまだ先だが、個人的には「楽しい」に一票! 走り続けろ、いだてん!!
2019.02.24 07:00
NEWSポストセブン
『いだてん』が低迷 薬師丸、のん、有村、松岡が助っ人か
『いだてん』が低迷 薬師丸、のん、有村、松岡が助っ人か
 人気脚本家・宮藤官九郎(48才)を起用し、話題性も高かったはずのNHK大河ドラマ『いだてん』だが、大河史上最速で視聴率は二桁を割り込むなど、なぜか最近は不調のニュースばかり。 これからどんどん面白くなるのに!と関係者は口を揃えるが、見てもらわないことには視聴率回復にもつながらない。そこで、NHK上層部からは異例の「テコ入れ」指令が飛んだという。 テコ入れとして、最も期待されるのが、ある“助っ人”の起用だ。「『いだてん』には同じくクドカンが脚本を担当したNHKの朝ドラ『あまちゃん』(2013年4月)のキャストが数多く出演しています。小泉今日子さん(53才)もその1人。そのため、主演を務めたのんさん(25才)と薬師丸ひろ子さん(54才)が追加キャストで出演する案が急浮上しているそうです」(芸能関係者) のんは2016年6月に前所属事務所を突然独立して以降、テレビドラマへの出演はない。それだけに、クドカン作品での復帰が実現すれば話題にならないはずはない。「現実的にオファーに向けての話し合いがあったと聞きました。他にも同じく『あまちゃん』に出演していた有村架純さん(26才)、松岡茉優さん(24才)にも声がかかっているとか」(NHK関係者) しかし、その一方で、日本の“マラソンの父”といわれた金栗四三(中村勘九郎)を支える妻・スヤを演じる綾瀬はるか(33才)を心配する声もあがる。「視聴率低迷ドラマで追加キャストをテコ入れするのは珍しくない話で、誰しも一度は受ける試練です。ただ、今芸能界一の人気といっても過言ではない立場の綾瀬さんとしては面白くないかもしれません。しかも同じく天然不思議系であるのんさんが出演すれば何かと比較されますからね」(前出・芸能関係者) とはいえ、当の綾瀬は全く意に介さない様子だという。「ムードメーカーとして現場をひっぱっていますよ。むしろいろいろなゲストが来るのが楽しみだとか。『いだてん』は新たな大河ドラマへ挑戦しているいわば試金石的なドラマ。ドラマ業界からの評判はむしろ高いですし、現場のやる気はまったく変わりませんね」(ドラマ関係者) 綾瀬の豪脚にはまだまだ余力がありそうだ。※女性セブン2019年3月7日号
2019.02.22 16:00
女性セブン
平成24年 牛レバー生食禁止、ワイルドだろぉ、ロンドン五輪
平成24年 牛レバー生食禁止、ワイルドだろぉ、ロンドン五輪
 平成もいよいよ残すところ数ヶ月。「平成」という時代にはどんなことが起きていたのか? ここでは平成24(2012)年を振り返る。 国内では沖縄での観測以来25年ぶり、本州では129年ぶりに日本列島各地で金環日食が観測されたこの年。 経済では野田内閣が消費税率を2014年に8%、2015年に10%に引き上げる消費税増税法案を提出。 参院本会議で可決成立し、2014年4月から現行の8%となった。10%引き上げは2度にわたる延期の後、今年10月から施行となる予定。 食に関するニュースでは、厚生労働省が食品衛生法に基づき、牛のレバーを生食用として販売・提供することを7月1日から禁止した。6月下旬、焼き肉店等には、最後のレバ刺しを堪能しようとする人々が列をなした。 スポーツではロンドン五輪で日本勢が大活躍。男子体操の内村航平選手が28年ぶりに個人総合で金。卓球女子団体では福原愛、石川佳純、平野早矢香選手が銀を獲得。また、先日、現役引退を発表した柔道女子の松本薫選手も57kg級で金を獲得。合計38個と過去最多のアテネ五輪を更新する快挙となった。 8月20日、東京・銀座で行われた日本人メダリストによる凱旋パレードには、沿道に約50万人ものファンらが詰めかけた。 1999年に発生した「山口・光市母子殺害事件」から約13年を経て、最高裁は殺人と強姦致死などの罪に問われた元少年に死刑判決。犯行時18才30日での死刑確定は最も年少。 芸能界では女優の森光子や歌舞伎役者の十八代目中村勘三郎ほか、“ちいちい”の愛称で親しまれた地井武男(享年70)などの訃報が相次いだ。本誌連載でも活躍していた流通ジャーナリストの金子哲雄氏も闘病生活の末、41才の若さでこの世を去った。 ドラマでは堀北真希主演のNHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』がヒット。ゲームでは『パズル&ドラゴンズ』通称パズドラがサービス開始。 この年の流行語は「ワイルドだろぉ」「終活」など。■平成24年の主な出来事1月1日 オウム真理教事件で逃亡中の平田信容疑者を、出頭先の警視庁丸の内警察署で逮捕。6月3日には菊地直子容疑者、同15日には最後の特別手配犯、高橋克也容疑者も逮捕4月19日 福島第一原子力発電所の1~4号機が正式に廃炉。日本の原発が54基から50基に減少5月21日 金環日食観測。日食レンズや日食メガネがヒット5月22日 東京スカイツリーが開業7月1日 食品衛生法により生の牛レバー(レバ刺し)の提供禁止7月27日 ロンドン五輪が開幕。日本は史上最多のメダル38個10月1日 オスプレイが沖縄・普天間飛行場に配備10月8日 京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞でノーベル生理学・医学賞受賞11月10日 森光子が死去(享年92)12月5日 十八代目中村勘九郎が死去(享年57)12月19日 韓国で初の女性大統領、朴槿恵(パククネ)氏が当選12月26日 第2次安倍内閣発足※女性セブン2019年2月28日号
2019.02.20 16:00
女性セブン

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