広岡達朗氏(写真/共同通信社)
工藤氏はソフトバンクの7年間で5度の日本一を達成。2019年、2020年の日本シリーズでは原巨人相手に2年連続4連勝という圧巻の強さを示した。
また現役時代から投球のメカニズムや栄養学などを研究し、引退後は筑波大学の大学院で学んだ。監督就任後は千賀滉大(29)、石川柊太(30)ら育成出身組を球界を代表するエースに育て上げており、投手陣の立て直しが必須の巨人には最適の人材となる。
「工藤が巨人の監督になるためには、ソフトバンクの監督退任後に自分に何が足りなかったかを勉強する。それが重要だね。ますます成長した工藤が縁あって巨人の監督をすることになれば、成功は間違いない」
原が3年契約を満了するのは、2024年のオフだ。
「私が原に厳しく言うのは、後任監督として長嶋に推薦したのが私だったから。辞めることは恥ずかしいことではないんですよ。自分に欠点があることを認めて、勉強する、そして縁があればまたやりますと言えば満点です。
フロントが原のやりたい放題に口を出せないのは問題だよ。でも、逆に言えば革命を起こすチャンスなんですよ。前例に囚われない人事をしないと、巨人は堕落したままで変わらない」
厳しい言葉は愛情ゆえ。“原ファミリー”体質を一掃する工藤ジャイアンツは誕生するか。
(了。第1回から読む)
※週刊ポスト2022年11月18・25日号