モノトーン、ロングにロングを合わせたコーデ

モノトーン、ロングにロングを合わせたコーデ(2020年)

 綾瀬が安土容疑者の事務所を訪れたのには訳がある。

「綾瀬さんの実家にとって安土容疑者とは3世代にわたっての長いつきあい。相続から資産運用まですべて相談する関係だった。安土容疑者はそこに付け込んだ。いつか綾瀬はるかを利用しようと虎視眈々と狙っていたのかもしれません。

 安土容疑者は犯行グループのキーマンだった。彼らの生命線は出資者を集めて“投資”の軍資金を手に入れることですが、その役割を担ったのは安土容疑者。綾瀬さんの存在を利用しながら、地元の富裕層に海の物とも山の物ともつかぬ投資話を信用させ、“投資”の軍資金を集めていったわけです。

 出資者や容疑者たちと会わせるときも、綾瀬さんのお父さんが亡くなった際の相続などについて話があるといって呼び出す手口だった。綾瀬さんはまさか自分が“広告塔”として利用されるとは想像すらしなかったでしょう。長いつきあいの信頼すべき税理士が裏切るとは憤怒の思いでしょうね」(全国紙社会部記者)

 2020年の春頃には、広島市内のステーキ店で綾瀬と安土容疑者が食事をしている。

「地元で人気のお店で、開店前に特別に開けてもらっていました。貸切で店内は2人きり。込み入った話をしていたとか。安土さんは綾瀬さんのために、最上級の和牛ヒレ肉を用意していました」(ステーキ店の関係者)

運用していたのは8000万円のみ

 今回4人は「出資法違反」の疑いで逮捕されたが、どのような罪なのか。元大阪府警・財務捜査官で、アキュレートアドバイザーズ代表の小林弘樹さんが解説する。

「出資法とは、違法な金融業者などによる財産的損害から国民を保護する法律です。許可を受けた金融機関等以外の者が、元本保証をうたって不特定多数から出資を募ったり、預り金を受け入れたりすることを禁止しています。今回の事件は、出資法2条の『預り金の禁止』の違反ということで、量刑は3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金です」

 被害額を考えると罪が軽いように思えるが、警察はその先を見据えている可能性がある。小林さんが続ける。

「警察は出資法違反での逮捕を入り口にして捜査を進め、最終的には『詐欺罪』での逮捕・立件を目指していると思います。資金運用の実態がなく、返済する意思もないのに資金を集めていたことが明らかになれば、詐欺罪が適用される。

 私が財務捜査官として携わった『大和都市管財事件』(2001年)という被害額1000億円超の投資詐欺事件も、大阪府警はまず出資法違反で捜索差し押さえを実施して、その後、詐欺罪で再逮捕しました。出資法違反は3年以下の懲役ですが、詐欺罪だと10年以下の懲役と重くなります」

 現在、彼らが集めた約40億円の行方がわかっていないという。

「集められたお金は、トレーダーの武田容疑者の銀行口座に入金されて“運用”されていたようだが、実際には8000万円程度しか運用の痕跡がなかった。いまではそのお金もほとんどなくなっています。

 彼らは40億円近く集めたとみられていますが、その大半を使い切ったとは考えにくい。海外で不動産を購入したり、外国の口座にお金を移している可能性もある。今後の捜査では、出資金の行方や本当に運用されていたのかという点も視野に入れられるでしょう」(前出・捜査関係者)

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