最後の通話は「いつも通り30分ほどだった」と小松氏は振り返る。
「(火災は)不可解でなりません。私の孫が小学5年生で、村田さんに可愛がってもらっていた。その孫が事件後に手紙を出した。それに〈心配していただきありがとう。これから頑張って生きる。約束は守る。兆治〉と返してくれた。本当に前向きだったのですが……」
謎として残る部分は少なくない。村田氏には妻と長男長女がいるが、近年は成城の自宅にひとりで暮らしていたという。スポーツ紙デスクが話す。
「息子さんは結婚して大阪に住んでおり、プロ生活を17年も献身的に支えた奥さんも10年以上前に家を出たそうです。逮捕時の身許引受人は、村田さんの弟さんがしていた。息子さんが定期的に連絡していたと聞くが、事件後の村田さんには落ち込む様子もあったという。近所の人に聞くと、ほとんど外出もせず引きこもり状態で、電気すらつけていなかったそうです」
撮影/藤岡雅樹
※週刊ポスト2022年12月2日号