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【オバ記者が病床に伏して考えたこと・第1回】手術のリスクにメンタルズタズタ

「卵巣がんの疑い」で手術を受けたのは10月上旬。その前日、落ち着かない気持ちを鎮めようと病室(下)で自撮りした

「卵巣がんの疑い」で手術を受けたのは10月上旬。その前日、落ち着かない気持ちを鎮めようと病室(下)で自撮りした

「やってみなければわからない」が口癖の女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子さんだが、やってみたくないこともある。その筆頭が病気だ。オバ記者が体調に異変を感じたのは、昨年8月。下腹部が膨らみ、重度の倦怠感や尿漏れに悩まされ続けたが、約1年間放っておいた。この夏、意を決して検査を受けたところ、「卵巣がんの疑い」と告げられ、一も二もなく入院、手術。そこで見たこと、感じたこととは。【第1回】

 * * *
「手術の途中で急変した場合、すぐに親族に判断していただくことが起こるかもしれません」──当人に意識がない全身麻酔で行う手術では、終わるまで“身内”が手術室の近くで待機しているのが決まりだという。ひとり暮らしの私のもとに、手術当日の朝、実家・茨城から弟夫婦が来てくれた。

 コロナ禍のいま、手術前の面会はほんの数秒。「じゃ!」と通りすがりに手を振る私に、「頑張ってこうよな」と11才年下の弟。手術室へはストレッチャーに寝て運ばれるものと思っていたけれど、現実は看護師に付き添われて歩いて行った。

延ばし延ばして、気づけば1年

「行けば済むんだから」

 婦人科検診をすすめてくれた友人から何度言われたか。女同士でそんな話が出るのは、婦人科系に何らかの不安があるときだ。

 私の場合、50才直前に大出血を起こしたときがそう。閉経間近になると生理時の出血量が多くなると聞いていたけど、朝、目覚めたときにシーツがただごとでない。血の海とはこのことかと思ったもの。

 そんなとき私が向かったのは病院の婦人科ではなく、年上の女友達のところ。「ああ、私もそうだったよ。寝室が殺害現場みたいだった」と言ってもらって、あはははと笑えば何事もなかったような気がしていたの。その後もそう。

「閉経後は子宮がんのリスクが下がる」とか「卵巣がんになりやすいピークは40代」などと聞きかじると、閉経した私には関係ないわ。ぶっちぎり、セーフ!と思い込んだの。

 他人の体と自分の体は別物。あの人がこうだから大丈夫なんてことはないのに、耳は易きに流れた。ネットで情報集めをするときも、検診しないで済むという話だけを集めた。

 下半身の不安を解消するなら婦人科検診しかない──そう、わかっちゃいたんだけど、あの内診台を頭に思い浮かべると、「ハイ、そこまで!」という気持ちになって、検診を避けていたのよ。

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