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W杯の解説者たち 本田圭佑らの“視聴者を助ける”ワールドクラスな「アシスト力」

11月27日のコスタリカ戦でも解説が光った(共同通信社)

11月27日のコスタリカ戦でも解説が光った(共同通信社)

 世界中で注目されるW杯カタール大会。中継番組での“解説者のトーク”にも注目が集まっている。コラムニストで放送作家の山田美保子さんが、W杯の“解説者”たちの魅力を綴る。

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システム変更や選手交代の発言がズバリと的中

 こういうときだけ乗っかるというのもどうかと思いますが、11月23日、サッカー日本代表が「FIFAワールドカップ カタール2022」グループリーグ初戦で優勝候補のドイツに逆転勝利したときは号泣してしまいました。

 私のような人が多かったようで、NHK総合での番組平均視聴率(ビデオリサーチ調べ・関東地区)は世帯で35.3%、個人で22.1%、瞬間最高視聴率はもちろん日本の勝利が決まった23時59分で、40.6%を記録。

 もう少し高くてもいいんじゃない?と思っていたのですが、試合後の東京・渋谷のスクランブル交差点付近や、大阪の道頓堀周辺の映像を見て納得。スマホを手にしていらしたかたはインターネットテレビ局の「ABEMA」を見ていらしたワケです。同局では23日、視聴者数が1000万人を突破。開局史上最高を記録したのだそうです。

 そのABEMAで解説者デビューを果たしたのは本田圭佑さん。実は私も飲み仲間と共に『Teppan Yaki KOBE Beef Stake EBISU84』の店長・曽我竜也さんが店内に用意してくれたモニターでABEMAを見ていたのです。

 本田さんの解説、気取りがなくて、すごく自由で、さすがでした。Twitterでも「本田の解説」がトレンドワードになったほど。なかでも、同年代の長友佑都選手(36才)や酒井宏樹選手(32才)のことは名前で呼び捨てにするのに、20代の選手には名字に「さん」づけだったことを多くのかたが指摘。でも、久保建英選手(21才)だけは事前に「さんづけはやめてください」と本田さんに懇願していたようで、「タケ」でした。

 コアなファンも、初心者に近いファンも楽しめるバランスのよい解説をほめるかたもいれば、程よく「松木安太郎さん(65才)的な」感情移入や熱さがあることや、「本田に出てほしい」と思わせる選手目線。さらには、本田さんがシステム変更の解説や選手を名指しした後、森保一監督(54才)がその通り選手を投入したことにも「的確すぎる」と絶賛する声が多数ありました。

 本田さんの存在感がすごすぎて、ついにはテレビ朝日の寺川俊平アナウンサー(34才)が久保選手のことを「キープする本田……あ、失礼しました」と本田さんがピッチに立っているような実況をしてしまい、「ぼく、出た方がいいっすか?」という場面も。とにかく楽しい解説者デビューでした。

 アナウンサーから「監督」とたびたび間違えられて苦笑していたのは「岡ちゃん」こと岡田武史さん。日本人の監督として、もっとも名前と顔を知られているかたであるうえ、“監督オーラ”がすごいんでしょうね。『FIFAワールドカップ2022デイリーハイライト』(NHK総合)を担当していた同局の豊原謙二郎アナウンサー(49才)は歴史的勝利の翌日、何度も「岡田監督」と呼びかけてしまっていました。

 日本がドイツに勝利した瞬間、「シャンパンをガブ飲みした」と意外なエピソードを明かした岡田さんは、森保監督と何度も食事をしたことがあるそうで、さまざまなアドバイスをしていらしたとか。

 その森保監督を「ポイチ」とニックネームで呼んでいたのは、『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ制作・日本テレビ系)に出演していた武田修宏さん。最近あまり、お見かけしていなくて、ワールドカップ関連でも登板が遅かったので心配していたのですが、宮根誠司サン(59才)とのバラエティー的な掛け合いや、バブリーだった頃のJリーガーの雰囲気は、『CanCam』の表紙を飾っていた1990年代前半のまんまでした。

『ホリプロ』で著名なアスリートや文化人が多数所属する「スポーツ文化部」は、武田さんのために設立された部署だと聞いたことがありますが、今年3月に退社されたんですね。所属中はバラエティー番組の“おバカ枠”を席巻したような時代もありましたが、ほとんど出なくなった理由は「飽きられた」ワケでも「退社」でもなく、監督を目指しているから。自費で各地の試合を見に行き、勉強し、S級ライセンスも取得していらっしゃいます。解説者から本格的に指導者の道へ? 期待しています。

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