国際情報

東京・新宿の「習近平退陣デモ」参加者が証言「日本に来てようやく中国共産党の恐ろしさを知った」

上海のウルムチ路でデモは起こった(写真/共同通信社)

上海のウルムチ路でデモは起こった(写真/共同通信社)

 11月26日夜から27日にかけて、中国全土で「ゼロコロナ政策」への抗議デモが続発。参加者は「何を書いても消される」という当局の言論弾圧を象徴する白い紙を手にし、「習近平は退陣せよ!」と中国共産党を激しく批判した。デモのうねりは海を越え、11月30日には東京・新宿でも在日中国人たちが声をあげた。そして12月に入ると習政権はついにゼロコロナ緩和の動きを見せ始めた。中国事情に詳しいライター・西谷格氏が、新宿で行なわれた抗議デモの様子をリポートする。

 * * *
 11月30日午後7時、新宿駅南口に在留中国人たちが集結した。開始時刻を迎えると、路上に主催者や中心人物と見られる人々が並び、メッセージの書かれた紙を掲げて声をあげた。周囲には、すでに平日とは思えないほど多くの人が集まっている。

「国賊・習近平は退陣せよ! 共産党は退陣せよ! 自由万歳! 民主万歳!」

 シュプレヒコールの音頭を取っていたのは、天安門事件後に海外に亡命した中国人たちが組織する団体「民主中国陣線」のメンバーだ。民主活動家だけのことはあり、絶叫調の演説で聴衆をアジテートした。周囲と比べ、突出してテンションが高い。

「我々はみんな立ち上がった。我々には信念がある。中国共産党はまもなく崩壊する。この政権は必ず滅亡する。歴史に逆行することはできない。長江も黄河も決して逆流することはない!」

 その後は「検査はいらない! メシをくれ!」「ロックダウンはいらない! 自由が欲しい!」といったコールがあちこちから聞こえた。

 群衆の数は目算で500人ほどだろうか。大勢の人々が集まり、熱気に包まれていた。マイクの音量が小さいと「こっちは聞こえません!」と合いの手が入ったり「習近平をロシアに送ってしまえ!」など即興でヤジが入ったりして、中国らしいフランクな雰囲気だった。交通整理を行なうスタッフもおり、特に混乱は見られなかった。

 しばらくするとデモ現場は4つほどのゾーンに分かれ、道路の東側は「共産党は退陣せよ」などと強い主張を訴える演説ゾーン、西側は静かに祈りを捧げる黙祷ゾーンとなった。こうなることを予測していたのか「熱血派はこちら、穏健派はこちら」と書かれたボードで案内をしている人もいた。

 友人と2人で現場に来ていた20代の在留中国人女性が語る。

関連キーワード

関連記事

トピックス

初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン