ワクチン接種後に死者数が増えている

ワクチン接種後に死者数が増えている

 2022年2月に開催された厚生科学審議会で前出の感染研の鈴木感染症疫学センター長は、「超過死亡はワクチン接種の増加に先立って発生した」と主張し、超過死亡とワクチン接種の関連を明確に否定した。だが、小島さんはこれに反論する。

「2022年2〜3月に観察された超過死亡は追加接種が増加した時期に一致しており、鈴木氏の主張はあたりません。また、感染研は2022年6月に超過死亡のデータの集計方法を突然変えました。変更前のデータと比べて、変更後は高齢者のワクチン接種が始まって以降の『1週間あたりの超過死亡』の増加が観察された週数が、大幅に伸びています」

ワクチン死とコロナ死は似ている

 ワクチンはコロナ対策の切り札と称賛され、莫大な費用を投じ、国を挙げての接種推進が繰り広げられた。国民の命を守るはずのワクチンを打つことがなぜ、死者の増加を招くのか。もともと、ワクチンの安全性には疑問が投げかけられていたと小島さんは言う。

「ファイザーやモデルナのmRNAワクチンは遺伝情報を打ち込み、いわば『人工のウイルス』に感染させることが大きな特徴ですが、産生されるスパイクたんぱく質が人体に与える影響までは充分配慮がされませんでした。現実に血栓症や自己免疫疾患の発症などのデメリットが海外の論文で指摘されています」

 感染研のダッシュボードは、新型コロナ感染症以外の死因で超過死亡が生じた際の主な死因として、「呼吸器系疾患」「循環器系疾患」「悪性新生物(がん)」「老衰」「自殺」の5つを挙げ、超過死亡の数値を公表している。

 実際に2022年2月の超過死亡を見ると、多い順に「循環器系疾患」(最小3248人〜最大5561人)、「老衰」(同1168人〜1886人)、「呼吸器系疾患」(同218人〜1563人)、「悪性新生物(がん)」(同117人〜683人)、「自殺」(同0人〜72人)だった。循環器系疾患や老衰が上位にくることからも、ワクチンとの関連が疑われる。

「断言はできませんが、ワクチン接種により血栓が増えることが報告されています。接種後の血栓で生じる脳梗塞や心筋梗塞などが循環器系疾患の死因となる可能性があります。またワクチンによって免疫全体が下がるとのデータもある。それをきっかけとして老衰による在宅死が増えたのかもしれません」(森田さん)

 日本人の最大死因であるがんに目立った超過死亡は見られないが、森田さんは今後に不安があるという。

「ワクチン接種後にがんの進行が速くなった事例があることは確かです。ワクチン接種とがんの因果関係は不明ですが、ワクチン接種後に免疫が落ち、がんが悪化することが心配されます」(森田さん)

 コロナによる死か、コロナ以外による死か、ワクチンによる死か──現状ではその見極めが難しいと小島さんは指摘する。

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