国内

コロナワクチン「接種開始時期と死者増加時期が一致」のデータが意味するものとは

(共同通信社)

激増する死者数。コロナによる死かワクチンによる死か、見極めは難しい(共同通信社)

 命を救うはずのワクチンだが、接種を繰り返すとなぜか死者が増えていた。原因はコロナか、がんや心疾患か、それとも別に要因があるのか。一体、いま日本で何が起きているのか──データとデータを重ね合わせて読み解くと、ある不都合な真実が見えてきた。

 日本人が猛烈なスピードで命を落としている。厚生労働省が発表した人口動態統計速報によると、2022年は1〜8月だけで2021年の同期間よりも死者数が7万1000人ほど増加した。そもそも2021年は死者数が前年比約6万7000人増と、戦後最大にまで増加したが、2022年はわずか8か月で前年の増加分を追い越した。

 増加のペースもすさまじく、2022年2月は前年より約1万9000人増、8月は約1万8000人増となった。2011年の東日本大震災による死者は約1万6000人だったことを考えると、大震災に匹敵する“災害”が2度も発生した計算になる。

 原因としてまず考えられるのが、新型コロナの流行だ。年始からの第6波、夏の第7波で感染者が激増し、それに伴って死者が増えたのではないだろうか。だが専門家は、その可能性は低いと話す。医師で南日本ヘルスリサーチラボ代表の森田洋之さんが指摘する。

「新型コロナの死者は、厳密な死因を問わなくてもPCR検査で陽性ならばコロナ死として報告されます。つまり、交通事故で病院に運ばれた患者でも、PCR検査が陽性ならコロナ死としてカウントされるのです。

 そんな特殊な計上でも、2022年1〜8月のコロナによる死者数は2万1500人ほどに過ぎず、人口動態統計速報が指摘する死者7万1000人のうち、約5万人はコロナとは別の理由で死亡したことになります。それでは一体、何が原因なのかを考える必要があるのです」(森田さん)

 なぜ、日本人の死者数は、急激に増えているのだろうか。

接種開始の時期と死者増加の時期が一致

 新型コロナのような感染症はその感染症で亡くなったと診断された患者以外にも、検査をせずに亡くなった感染者や、感染が原因で基礎疾患が悪化して亡くなった患者などが多数生じる。そうした感染症の全体図を把握したいときに用いられるのが「超過死亡」だ。

 超過死亡とは、過去の統計から見込まれる死者数の推定値を、実際の死者数がどれだけ上回ったかを示す数値のこと。感染症がないときの平年の国の総死者の推定値と、感染症が流行したときの総死者数を比べれば、「感染症によってどれだけの人が死亡したのか」を導き出せる、という理屈である。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン