国内

創価学会はいまや選挙の互助会か 「選挙以外に学会員を熱狂させる機会がない」の声も

昔と今で創価学会は何が違う?(写真は創価学会の名誉会長・池田大作氏/共同通信社)

昔と今で創価学会は何が違う?(写真は名誉会長・池田大作氏/共同通信社)

 旧統一教会問題で政治と宗教の関係に注目が集まっている。影響は創価学会と公明党にも波及しており、日本の宗教はターニングポイントを迎えている。評論家の宮崎哲弥氏、『宗教問題』編集長の小川寛大氏、ジャーナリストの鈴木エイト氏が話し合った。【全3回の第2回、第1回から読む

 * * *
鈴木:統一教会の問題が創価学会にまで飛び火して、週刊誌などで学会の元会員などによる学会批判が飛び交いました。

小川:興味深いのは、従来は「名誉会長である池田大作が作った正しい学会に戻せ」という教義に真面目な意見が多かったけど、今回は「学会は根本的にどうしようもない」という批判が多いことです。池田氏が表舞台から去って十数年が経過し、池田氏のカリスマ性でまとめていた部分が消失してしまったのか、組織に金属疲労が見られる。

宮崎:創価学会は公称827万世帯が会員という桁外れに巨大な組織ですが、日本でこれ以上教勢を伸ばすことは難しい。この先、どう生き残るかが喫緊の課題でしょう。

鈴木:創価学会に限らず、新宗教はどこも弱体化しています。そんななかで、今年は4月に統一地方選がありますね。

小川:公明党は地方議会を主戦場にします。理由は地方に影響力を持ちたいということはもちろんですが、学会員を食わせる手段でもあるという事情がある。本来は「宗教法人創価学会」が雇う学会員を地方議員に当選させ、税金で生活させる手段として地方選挙があるということを聞いたことがありますが、地方ほどそうした傾向がうかがえます。

 公明党は選挙戦の勝利を至上命題にする政党で、これまで比例ブロックでは全国くまなく当選者を出してきました。しかし創価学会の弱体化に伴い、今後は東北や四国など地方のブロックで公明党が1人も当選させられない可能性が出てきた。もし本当にそれが起こったら、単に1議席を失う以上のインパクトがあり、何らかの体制変革が求められるはずです。

宮崎:選挙は創価学会の組織原理に組み込まれているのです。公明党が選挙において創価学会に依存しているんじゃなくて、その逆。だからこそ、全国津々浦々に候補者がいることに意味がある。それなのに櫛の歯が欠けるように落選者が出ると、学会全体の問題になってしまう。

小川:よくわかります。今実際に創価学会の会員を取材すると、日蓮や仏教の教えに関する話はほとんど聞きません。純粋な宗教運動なら日蓮の記念日に全員で題目を唱えることなどが活力となりますが、創価学会は純粋な宗教的パワーはほぼなくなっている。交わすのは選挙の話ばかりで、もはや宗教団体ではなく選挙の互助会のようです。

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン