スポーツ

桑田真澄OB会長が教団幹部に直談判 それでもPL学園野球部の復活が遠い本当の理由

厳しい現状を明かしたOB会長の桑田氏(筆者撮影)

厳しい現状を明かしたOB会長の桑田氏(筆者撮影)

 高校野球の超名門・PL学園硬式野球部が活動を止めて6年以上が経過した。名だたるOBたちやファンが復活を願っても、その道のりははるか遠いようだ。『永遠のPL学園』(小学館文庫)の著書があるノンフィクションライター・柳川悠二氏が最新状況をレポートする。

 * * *
 春3回、夏4回の甲子園制覇を誇るPL学園硬式野球部のOB会総会が3年ぶりに大阪市内のホテルで開催された。桑田真澄会長(元巨人ほか)は2016年夏以降、活動休止状態にある野球部の復活に向けた動きについてこう話した。

「(自身が会長に就任した)2019年の総会の段階では、教団の幹部、学園のトップの方から『野球部の復活を考えている』という言葉を引き出すことができたんですけど、そこからまったく前進がなかった。厳しい現状ではありますが、なんとか復活してもらいたいというのがわれわれの思いです」

 私は2014年からPL学園とその母体であるパーフェクトリバティー教団(PL教団)の問題を取材し、この総会にも翌2015年から足を運んできた。高校野球の歴史において絶大な人気を集めたPL学園の硬式野球部が事実上の廃部に至った経緯は拙著『永遠のPL学園』を参照していただきたいが、出版後も取材を続け、学園の生徒数が壊滅的な状況で、昨年の理文選修コースの外部受験者がわずかひとりしかおらず競争倍率が「0.02倍」だったことなども報じてきた。現在の学園生徒数は一学年20人ほどとされ、「もはや寺子屋状態」(学園の元教師)だ。

 さらに教団では2020年12月に3代教祖・御木貴日止(みき・たかひと)氏が死去し、代替わりを迎えた。ところが、2年1か月が経過した現在も教祖が不在という異常事態が続いている。指導者を欠いた宗教団体では、新規信者の獲得どころか、現役信者の信頼さえ失いかねないのは当然だろう。

 私も硬式野球部の復活を願うひとりではあるが、学園のみならず、教団が存続の危機にあり、もはや学園のいち部活動である野球部の復活を考えられる状況にはない。そうしたPLの惨状をOBも理解しているからこそ、今年の総会参加者の声のトーンは沈み、もはや諦めムードが漂っていた。

 桑田会長は今年の総会翌日となる1月8日には大阪府富田林市の教団聖地(本庁)を訪れ、野球部の復活に向けた会談に再び臨むとした。

「野球部を復活するには学校の生徒数も増えていかないと難しい。4代目の教祖様はどうなっているのか、生徒数は今後増える可能性はあるのか。そういったところも聞いてみたい」

関連記事

トピックス

被害男性は生前、社長と揉めていたという
【青森県七戸町死体遺棄事件】近隣住民が見ていた被害者男性が乗る“トラックの謎” 逮捕の社長は「赤いチェイサーに日本刀」
NEWSポストセブン
体調を見極めながらの公務へのお出ましだという(4月、東京・清瀬市。写真/JMPA)
体調不調が長引く紀子さま、宮内庁病院は「1500万円分の薬」を購入 “皇室のかかりつけ医”に炎症性腸疾患のスペシャリストが着任
女性セブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
1980年にフジテレビに入社した山村美智さんが新人時代を振り返る
元フジテレビ・山村美智さんが振り返る新人アナウンサー社員時代 「雨」と「飴」の発音で苦労、同期には黒岩祐治・神奈川県知事も
週刊ポスト
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
【視聴率『愛の不時着』超え】韓国で大ヒット『涙の女王』 余命宣告、記憶喪失、復讐など“韓国ドラマの王道”のオンパレード、 華やかな衣装にも注目
【視聴率『愛の不時着』超え】韓国で大ヒット『涙の女王』 余命宣告、記憶喪失、復讐など“韓国ドラマの王道”のオンパレード、 華やかな衣装にも注目
女性セブン
公式X(旧Twitter)アカウントを開設した氷川きよし(インスタグラムより)
《再始動》事務所独立の氷川きよしが公式Xアカウントを開設 芸名は継続の裏で手放した「過去」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
タイトルを狙うライバルたちが続々登場(共同通信社)
藤井聡太八冠に闘志を燃やす同世代棋士たちの包囲網 「大泣きさせた因縁の同級生」「宣戦布告した最年少プロ棋士」…“逆襲”に沸く将棋界
女性セブン