「確かに安倍元首相も箸の持ち方には特徴があって、中指と人差し指と親指で上の箸を動かすという正しい箸の持ち方ではなかったため、在任時から度々ネットで指摘されていました。
今回、辻元氏を批判する声に反論する形で、ネット上では安倍元首相の食べる姿を写した画像が出回っています。なかでも話題なのが、首相官邸がYouTubeの公式チャンネルで〈和食・日本の食文化が、ユネスコの無形文化遺産として登録されました。安倍総理から世界の皆さまへ、和食の魅力をお届けします〉として2013年12月に配信された動画です。そのなかで、安倍元首相はお箸をクルリと回すようにして手に収め、変わった箸の持ち方で、ややぎこちない感じで和食を食べる姿を披露しています。この日本文化を世界に紹介する動画で箸の使い方が正しくないのはいかがなものかという指摘は過去にも何度も取り沙汰されていましたが、辻元氏をきっかけに“再燃”しています」
辻元氏といえば、国会では安倍元首相と幾度となく衝突し、激しい舌戦を繰り広げてきた。ところが立場や思想は真逆でも、箸の持ち方に関しては安倍元首相と同じように“正統派”とは違うスタイルだったということだ。前出の政治部記者はこう続ける。
「首相になると地域の特産品を試食したり、被災地で名産を食べて復興をアピールしたりして、カメラの前で食べる機会が多いので、その食べ方が注目されることはよくあります。特に安倍元首相は長期政権だったがゆえに何かを食べている写真や動画は数多くあり、そのぶんツッコミをされやすいというところもあるのでしょう。
ちなみに、岸田文雄首相は食べる姿を何度か披露していますが、箸の持ち方についての指摘はされてはいません。菅義偉・前首相もフォークとナイフでパンケーキを食べるイメージですが、箸を使う際には正しい持ち方をしていました。安倍元首相の“盟友”で首相経験のある麻生太郎・副総裁は食通なだけあって、食べ方が美しいことで知られています。なお、首相経験者ではありませんが、石破茂・元幹事長は箸の持ち方が独特で“ちょっと怪しい”と囁かれています(笑)。
どちらにせよ、箸の持ち方などで政治家としての評価が左右されるわけではありませんが、カメラの前で食べてみせることが多く、外交の一環として海外の要人と食事をする機会があることは否めない。首相や閣僚になるならば、正しいマナーを習得しておくにこしたことはないのかもしれません」