芸能

ドラマ『INFORMA』原作・沖田臥竜×総監督・藤井道人「情報の向う側にあるリアルな世界」

語り合った

原作・沖田臥竜氏と総監督・藤井道人氏が語り合った(撮影/名和真紀子)

「劇薬のようなドラマが出来上がりました。俳優としてもこのドラマで“覚醒”したと思っています」。充実感たっぷりにそう語ったのは、桐谷健太(42才)。フジテレビ本社で1月14日、連ドラ『インフォーマ』(カンテレで放送中。Netflixでも配信)の制作発表会見が行われ、主演の桐谷のほか、GENERATIONS from EXILE TRIBEの佐野玲於(27才)、森田剛(43才)らキャスト陣と、原作・監修の沖田臥竜氏、総監督の藤井道人氏が登場した。

 表と裏のあらゆる情報を扱う元ヤクザ若頭補佐の伝説の情報屋「インフォーマ」(桐谷)と、週刊誌の若手記者(佐野)がバディを組み、謎の男・森田率いる殺人も厭わない闇組織の真相を追うハードボイルドなクライムサスペンス。第1話でいきなり、新宿・歌舞伎町の路上で人が火だるまになるシーンがあるなど、怒涛のバイオレンスと、予測不可能な展開が魅力で、さまざまな謎が物語終盤で一気に回収されていく流れも圧巻。この冬いちばんの話題作だ。

 漢気オーラを発して存在感のありすぎる俳優陣に交じっても、少しも見劣りしないアウトロー感を漂わす原作の小説家・沖田氏と、総監督でプロデューサーの藤井氏が、今作の見どころ、撮影現場での俳優陣たちの様子、作品に込めた思いなどを語り合った。

 * * *
沖田:繁華街で人が燃える場面から、車で人がはね飛ばされるシーンなど、視聴者も背筋が凍るようなカットがたくさんありますが、当然、撮影現場も緊張感に満ちていました。なかでも、目の前で芝居をしている森田剛さんは、笑顔も一切なく、本物(極道)の雰囲気を発しておられた。さすがやなぁと見入ってしまいました。

 自分は「V6」はドンピシャの同世代。森田さんを見ていたら、自然と頭のなかでポップな曲調の『WAになっておどろう』が流れますが、現場の迫力はすごかった。

藤井:主演の桐谷さんはもちろん、森田さんもドラマの内容を見て「出演します」と快諾してくれた。いい意味で、10代の頃の「V6」時代の森田さんのイメージが残る視聴者には、期待を裏切る役柄と芝居になっています。本当に圧巻でした。

 無表情の小声で、凍り付くような冷酷さを発揮する森田は、ジャニーズ事務所退所後の初の連ドラ出演で話題をさらう。森田の演技力が、今作のバイオレンスさとサスペンス感を倍増させているのは間違いない。

 一方、主人公の桐谷は、性格こそ明るい関西人だが、本気モードに切り替わったときのアウトロー感と度量の大きさは、「裏社会の情報屋」という稼業を、より謎めいたものに昇華させる。

沖田:桐谷さんなら、名作の学園ドラマ『ROOKIES』を思い出します。当時は爽やかな高校生役だった彼が、令和のいま、成熟したお芝居をされる場面を目の当たりにするのは、個人的には感慨深かった。アウトロー特有の関西弁も、醸し出す雰囲気も、秀逸でした。

〈今作は、昨年公開の映画『ヤクザと家族 The Family』と連続ドラマ『ムショぼけ』(朝日放送)で立て続けにコンビを組んだ、沖田氏と藤井氏の3作目。1年前に2人で企画から発案して、沖田氏が執筆し、ドラマ化が実現した。2人の作るハードボイルド作品は、俳優陣たちをも魅了した〉

沖田:桐谷さんや森田さんだけじゃなく、佐野さんや、まだ明かせない超サプライズの某若手人気俳優さんも、みんな「ぜひ出演したい」と言ってくれた。今作のテーマは「情報」。これだけ情報があふれる現代社会でも、誰も知らない情報を握れれば、「先手」が取れる。自分は社会の表も裏も見てきたから言えるけど、「世の中には、みんなが知らん世界もあんねんで」ってことです。

 自分が書いた本をおもしろがって、手を挙げてくれた俳優さんが多いのは、やっぱりうれしいです。

関連記事

トピックス

もうすぐ双子のママになる。Numero.jpより。
Photos:Mika Ninagawa
中川翔子3年にわたる不妊治療と2度の流産を経験 。 双子の男の子のママになる妊婦姿を披露して話題に
NEWSポストセブン
錦織圭とユニクロの関係はどうなるか(写真/共同通信社)
「ご本人からの誠意ある謝罪があった」“ユニクロ不倫”錦織圭、ファーストリテイリング広報担当が明かしたスポンサー契約継続の理由
週刊ポスト
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン
岐阜の「池田温泉旅館 たち川」が突然の閉鎖、事業者が夜逃げした(左は旅館のInstagramより)
【スクープ】岐阜県の名所・池田温泉の人気旅館が突然の閉鎖 町が運営委託した事業者が“夜逃げ”していた! 町長からは228万円の督促状、従業員が告発する「オーナーの計画」 給料も未払いに
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏は2017年にダブル不倫が報じられた(時事通信フォト)
参院選落選・山尾志桜里氏が明かした“国民民主党への本音”と“国政復帰への強い意欲”「組織としての統治不全は相当深刻だが…」「1人で判断せず、決断していきたい」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
止まらない「オンカジドミノ退社」フジテレビ社内で話題を呼ぶ
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン
江夏豊氏(右)と工藤公康氏のサウスポー師弟対談(撮影/藤岡雅樹)
《サウスポー師弟対談》江夏豊氏×工藤公康氏「坊やと初めて会ったのはいつやった?」「『坊や』と呼ぶのは江夏さんだけですよ」…現役時代のキャンプでは工藤氏が“起床係”を担当
週刊ポスト
殺害された二コーリさん(Facebookより)
《湖の底から15歳少女の遺体発見》両腕両脚が切断、背中には麻薬・武装組織の頭文字“PCC”が刻まれ…身柄を確保された“意外な犯人”【ブラジル・サンパウロ州】
NEWSポストセブン
山本由伸の自宅で強盗未遂事件があったと報じられた(左は共同、右はbackgrid/アフロ)
「31億円豪邸の窓ガラスが破壊され…」山本由伸の自宅で強盗未遂事件、昨年11月には付近で「彼女とツーショット報道」も
NEWSポストセブン