(時事通信フォト)
「ワクチン死」としてこれまで報じられてきたのは、接種後すぐに亡くなったケースがほとんど。しかし実際には、長い闘病の果てに命を落とす人もいるのだ。
前出の3人と同様に、接種後に胸痛や倦怠感、呼吸苦、筋肉系の症状、頭痛、ブレインフォグなどを訴える人は少なくない。なぜ接種後にこうした症状が体に現れるのか。コロナワクチン後遺症患者を多数診療している、ほんべつ循環器内科クリニックの藤沢明徳さんが解説する。
「ファイザーやモデルナの『mRNAワクチン』はウイルスのたんぱく質の遺伝子の一部を体内に注入し、新型コロナウイルスの表面に存在する突起状の『スパイクたんぱく』を体のあらゆる細胞に作らせます」
そのスパイクたんぱくを体内の免疫細胞が認識するとウイルスに対抗する抗体ができ、コロナの発症や重症化を防ぐという仕組みだ。
「しかしスパイクたんぱくは血管の内皮細胞を傷つけ血栓をできやすくし、血管障害を起こす弊害が指摘されています。また、抗体がスパイクたんぱくを作り、それを表出させた細胞を異物と認識して攻撃し、自己免疫性疾患が引き起こされる仕組みも解明されてきました。さらに細胞内のエネルギー産生工場であるミトコンドリアの機能不全も指摘されています。
それらの血管障害や免疫異常、ミトコンドリア機能不全によって胸痛や倦怠感といったさまざまな症状が体に現れてくると考えられます」(藤沢さん)
多くの専門家たちが口を揃えるのは、それらの症状が新型コロナ後遺症と非常に似ているということだ。
「両者ともに症状の原因は体内のスパイクたんぱくにあると考えられるため、それが新型コロナに感染した際のウイルスが由来なのか、それともワクチンによるものなのかが判別しづらいのです。私が懸念しているのは、ワクチンの実害から国民の目をそらすため、また医師の知識不足によってワクチン後遺症がコロナの後遺症として診断されることです。
確かに両者の見分けは難しいですが、オミクロン株が流行して重症化する人は少ないのに死者が増えたことや、流行が収まった“感染の谷”の時期でも死者が増えていることから、ワクチンの後遺症で健康被害が広まっている可能性も否定できないはずです」(鳥集さん)
※女性セブン2023年2月16日号
感染者数とワクチン接種率の推移
ワクチン後遺症に関するアンケート