ライフ

北里八雲牛、京大紅牛、宮崎大学Beef…進化する「大学発ブランド和牛」飼育現場に密着

北里大学八雲牧場で研究に励む学生と教職員の皆さん

北里大学八雲牧場で研究に励む学生と教職員の皆さん

 大学生たちが手塩にかけた国産和牛が次々とブランド化している。研究や実習目的で育てられてきたが、餌の改良や受精卵、遺伝子の研究が実を結び、高級和牛に引けを取らない“美味しい”牛肉を生産できるようになった。北里大学、宮崎大学、京都大学で国産和牛の飼育現場に密着した。

【北里大学】牧草だけを食べて育った北のオーガニック牛

最低気温がマイナス15度以下にもなる厳しい寒さのなか、学生が飼育に取り組む
牛舎で牛に牧草を与える学生。雪が降り積もる冬の間は、発酵させた牧草(グラスサイレージ)を食べて育つ

最低気温がマイナス15度以下にもなる厳しい寒さのなか、学生が飼育に取り組む 牛舎で牛に牧草を与える学生。雪が降り積もる冬の間は、発酵させた牧草(グラスサイレージ)を食べて育つ

 函館空港から車で約1時間半の距離にある北里大学八雲牧場は、東京ドーム約80個分の広大な敷地を有する。冬期以外は24時間、完全放牧されて育つ「北里八雲牛」は、2009年に肉用牛として日本初の有機JAS認証を受けた。

「一般的には牛を肥育する際、トウモロコシなどの穀物を与えますが、北里八雲牛は化学肥料、農薬を一切使用しない牧草のみを食べて育ちます。飼料の自給率は100%。脂が少し黄色くなるので見た目はよくないかもしれませんが、肉本来の旨みを味わえます。私たちが目指すのは、“究極の赤身肉”です」(北里大学獣医学部講師・小笠原英毅氏)

北里八雲牛が食べるのは牧草のみ。グラスサイレージの匂いをかいで、牧草をチェックする小笠原氏。発酵した草は漬物のような香りがする

北里八雲牛が食べるのは牧草のみ。グラスサイレージの匂いをかいで、牧草をチェックする小笠原氏。発酵した草は漬物のような香りがする

370ヘクタールの敷地で300頭が自由奔放に育つ。牛の排泄物は堆肥にして、牧草を育てる。八雲牧場内では日本短角種を中心に300頭が飼育されている

370ヘクタールの敷地で300頭が自由奔放に育つ。牛の排泄物は堆肥にして、牧草を育てる。八雲牧場内では日本短角種を中心に300頭が飼育されている

霜降りが少ない日本短角種牛。牧場で育つ日本短角種牛(交雑牛を含む)は、和牛のなかでも大型で筋肉質。ヘルシーで栄養価が高いのが特徴だ

霜降りが少ない日本短角種牛。牧場で育つ日本短角種牛(交雑牛を含む)は、和牛のなかでも大型で筋肉質。ヘルシーで栄養価が高いのが特徴だ

北里八雲牛。八雲牧場で生まれ育った日本短角種牛。2003年にブランド化。一般流通は多くないが、北海道八雲町のふるさと納税の返礼品で選択できる

北里八雲牛。八雲牧場で生まれ育った日本短角種牛。2003年にブランド化。一般流通は多くないが、北海道八雲町のふるさと納税の返礼品で選択できる

関連記事

トピックス

学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(右・時事通信フォト)
「言いふらしている方は1人、見当がついています」田久保真紀氏が語った証書問題「チラ見せとは思わない」 再選挙にも意欲《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
13日目に会場を訪れた大村さん
名古屋場所の溜席に93歳、大村崑さんが再び 大の里の苦戦に「気の毒なのは懸賞金の数」と目の前の光景を語る 土俵下まで突き飛ばされた新横綱がすぐ側に迫る一幕も
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
「結婚前から領収書に同じマンション名が…」「今でいう匂わせ」参政党・さや氏と年上音楽家夫の“蜜月”と “熱烈プロデュース”《地元ライブハウス関係者が証言》
NEWSポストセブン
学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(共同通信/HPより)
《伊東市・田久保市長が独占告白1時間》「金庫で厳重保管。記録も写メもない」「ただのゴシップネタ」本人が語る“卒業証書”提出拒否の理由
NEWSポストセブン
7月6~13日にモンゴルを訪問された天皇皇后両陛下(時事通信フォト)
《国会議員がそこに立っちゃダメだろ》天皇皇后両陛下「モンゴルご訪問」渦中に河野太郎氏があり得ない行動を連発 雅子さまに向けてフラッシュライトも
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、経世論研究所の三橋貴明所長(時事通信フォト)
参政党・さや氏が“メガネ”でアピールする経済評論家への“信頼”「さやさんは見目麗しいけど、頭の中が『三橋貴明』だからね!」《三橋氏は抗議デモ女性に体当たりも》
NEWSポストセブン
かりゆしウェアをお召しになる愛子さま(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《那須ご静養で再び》愛子さま、ブルーのかりゆしワンピースで見せた透明感 沖縄でお召しになった時との共通点 
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏(共同通信)
《“保守サーの姫”は既婚者だった》参政党・さや氏、好きな男性のタイプは「便利な人」…結婚相手は自身をプロデュースした大物音楽家
NEWSポストセブン
松嶋菜々子と反町隆史
《“夫婦仲がいい”と周囲にのろける》松嶋菜々子と反町隆史、化粧品が売れに売れてCM再共演「円満の秘訣は距離感」 結婚24年で起きた変化
NEWSポストセブン
注目度が上昇中のTBS・山形純菜アナ(インスタグラムより)
《注目度急上昇中》“ミス実践グランプリ”TBS山形純菜アナ、過度なリアクションや“顔芸”はなし、それでも局内外で抜群の評価受ける理由 和田アキ子も“やまがっちゃん”と信頼
NEWSポストセブン
中居、国分の騒動によりテレビ業界も変わりつつある
《独自》「ハラスメント行為を見たことがありますか」大物タレントAの行為をキー局が水面下でアンケート調査…収録現場で「それは違うだろ」と怒声 若手スタッフは「行きたくない」【国分太一騒動の余波】
NEWSポストセブン
かりゆしウェアのリンクコーデをされる天皇ご一家(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《売れ筋ランキングで1位&2位に》天皇ご一家、那須ご静養でかりゆしウェアのリンクコーデ 雅子さまはテッポウユリ柄の9900円シャツで上品な装いに 
NEWSポストセブン