国内

「ルフィ」連続強盗団 そのルーツは山口組傘下の“極北極悪”グループだった

連続強盗団グループの主犯格たち(写真/共同通信社)

連続強盗団グループの主犯格たち。ルーツは山口組傘下組織(写真/共同通信社)

 ついにフィリピンから日本に強制送還された連続強盗団グループの主犯格とされる容疑者たち。彼らのルーツとなるのは、あまりに狂暴なる暴力組織だった。フリーライターの鈴木智彦氏がレポートする。

 * * *
 広域強盗団を指揮する暴力団関係者がルフィを名乗り、そのうちの1人が北海道にある六代目山口組中核組織・弘道会傘下の福島連合の関係者だったと聞き、過去の取材を思い出した。2016年に北海道でインタビューしたナマコ密漁団リーダーが「福島連合の密漁団のウエットスーツにルフィのイラストが入っていた」と話していたからだ。

 ルフィは『少年ジャンプ』に連載中の大人気マンガ『ONE PIECE』の主人公「モンキー・D・ルフィ」を指す。仲間と海賊王を目指す冒険活劇で、暴力団員にもファンが多い。とある指定暴力団トップもこのマンガを読むため、毎週『少年ジャンプ』を買っているという。

 密漁団が海賊を気どったなら、なかなかのブラック・ユーモアである。

ヤクザの自宅に盗み

 福島連合は元々テキヤ系団体で、初代弘道会の準幹部として山口組入りした。その後、六代目山口組・司忍組長の出身母体である弘道会の金看板の下で、北海道の大組織に成長した山口組の三次団体だ。

 連続強盗団のボス格たちは、いずれも北海道出身者で、道内暴力団と関係が深い。その捜査で、オレオレ詐欺の黒幕だった事実も明るみに出ており、被害総額は60億円ともいわれる。北海道で取材をすると、ルフィ一味が、かつて空き巣・強盗をシノギにしていたらしい……と話す証言者が見つかった。相手は同じく暴力団関係者だが、山口組などはマスコミとの接触を表面上堅く禁じており、組織内で問題視されると命取りになるので所属はぼかす。

「狙ったのがヤクザだから表に出ないわけ。以前、北海道でヤクザの自宅に盗みに入ったり、強盗する事件が頻発した。札幌を中心に長万部など、地方の小さな街の関係者まで被害にあった。被害者には福島連合の大幹部もいたんだけど、ちょうど親分から金を用立てするよう頼まれ、『そんな金はないんです』と断った直後に2000万円やられた。

 親分にしてみりゃ、俺に出す金はないのに、強盗はなぜそんな大金を盗っていけたのかと気分悪いわね。それだけが理由じゃないんだけど、被害にあった幹部は、その後降格していった。ヤクザ筋ではその犯人グループが、捕まった今回の主犯格じゃないかと噂になってる」

関連記事

トピックス

生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
新宿・歌舞伎町で若者が集う「トー横」
虐待死の事例に「自死」追加で見えてきた“こどもの苛烈な環境” トー横の少女が経験した「父親からの虐待」
NEWSポストセブン
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン