藤田聖也容疑者(写真/共同通信社)

藤田聖也容疑者(写真/共同通信社)

 暴力団とて、通常、仲間を襲う非道はしない。

「福島連合はでかいんだ。当然、派閥もある。仙台や東京にも支部があって、同じ組内の処分者(破門者や絶縁者)を拾って使う。東京のような大都会に行かれて偽名を使われたら分からなくなる」(福島連合と友好関係にある他団体幹部)

 2000年頃から、全国で暴力団の実力者を狙った強盗事件が頻発した。被害者を縛り上げてビデオ撮影し、口外したら屈辱的な動画を晒すと恫喝した実行犯も、さすがに同じ釜の飯を食った仲間相手には強盗していない。実行犯が義理場(盃や葬儀などの会場)に強奪した腕時計をはめてきたのを、強盗した親分の若い衆に目撃され、後日、さらわれ殺されている。

 北海道の強盗事件でも、被害者側の暴力団はメンツに懸けて犯人を捜索した。黒幕に繋がる人物を捕まえたヤクザもいたらしい。

「カーチェイスで逃げる白いランクル(ランドクルーザー)を、ようやくススキノ交番の前で止め、拳銃を突き付け、車のミラーをぶっ壊し、命の保証をしてやっと降りてきたと聞いている」(同)

 今回の連続強盗事件同様、道内暴力団の混成チームだったらしいが、事件化はしなかったという。

コロナ給付金詐欺も

 福島連合の知名度は、六代目山口組の三次団体としては異質で図抜けている。組織力も全国屈指で、検挙される事件も時に暴力団らしくない。ワルにはワルのルールがあるが、中にはそれさえ無視する手合いがいる。歌手のASKAに覚醒剤を売りつけ、その一方で恫喝したとされたのも福島連合組員だった。売人の美学に反する行為だ。

 マスコミがネタに転ぶ貪欲さも見抜いており、気を抜くと取り込まれる。2016年には懐柔されたフジテレビ局員が車を購入する名義を貸して処分されているが、これも福島連合関係者とみられている。

 2021年にはコロナ対策の持続化給付金詐欺約1億5000万円をだまし取った容疑で福島連合組員が逮捕された。この事件で飲食店の経営者を集め、給付金をもらうためのセミナーを開いたのが、北海道では有名な観光会社経営者の親族だったのだが、道警はススキノの飲食店と暴力団の蜜月にメスを入れられず、ネオン街の膿を出し切れなかった。北海道警は福島連合に甘い、というのが警視庁関係者と暴力団関係者の一致した見解だ。

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン