師範同士の手合わせはぶっつけ本番
番組では、伝統空手の4大流派が一堂に会したり、他流派の師範同士が手合わせしたりといった、普通ではなかなかあり得ないことが実現している。番組中でも円明流の赤羽根大介が言っていた通り、技を他流派に見せるということは「世が世なら命を取られることにつながりかねない」ため考えられなかったことだ。
「交渉はもう正面突破、誠心誠意お願いしています。ただ本当に本物の方々に最初からオファーしているので、手合わせが嫌とか、他の流派とコラボレーションしたくないと言われることはあまりないです。むしろ面白がってくださるし、学びの機会だと捉えておられる。本当に進取の気性ですよね。お年を召した先生でも逃げない。惚れ惚れします。
怪我などがないように細心の注意を払って演出はしているんですけど、予定調和を嫌っている番組なので、こういう約束でやってくださいということではなくて、先生方も自分の技が相手に通用するか、実はわからないという状態でコラボレーションしてくださっているんです。
後で先生に聞いてみると、自分の流派の名を背負っている以上、失敗したら流祖に申し訳が立たない、命がかかってましたとおっしゃるんです。武道家なので追い込まれたような表情は見せないんですけど」