健さんから言われた「90だよ」
やくざ映画から、時代劇、トレンディードラマ、コメディーまで幅広く出演し、文字通り「バイプレーヤー」の先駆者の小林。1987年には、映画『夜汽車』などで日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。2000年には『鉄道員』で最優秀助演男優賞に輝いた。
「主演の高倉健さんとの名タッグは、日本の映画史に残るものです。小林さんは、ずっと見上げる存在だった憧れの健さんと初めて対等に芝居ができた作品だったと語ったほどです」(別の映画関係者)
小林は、健さんとのある約束を果たそうと決めている。
「健さんとホテルで食事をしたとき、小林さんが“こんなに長いこと役者をやってこれたので、このままでいい”というようなことを口走ったら、健さんに“90だよ”と強い口調で言われたことがあったそうです。
その言葉は、健さん自身の“90才まで続けたい”という決意にも、小林さんに対して“90才まで続けろ”という発破にも、どちらにも捉えられるものだったそうです。その道半ばで、健さんは亡くなりましたが、志は小林さんが引き継いでいるんでしょう」(前出・別の映画関係者)
健さんとの約束の日まであと8年──妻との死別という悲しみを乗り越えて、小林の役者道は続く。
※女性セブン2023年3月2・9日号