完璧なアナウンス力
和久田アナを脅かすのは若手だけではない。復権が近いベテラン勢の筆頭として名前が挙がるのは井上あさひアナ(41)だ。島本氏が言う。
「2014年に『ニュースウオッチ9』を卒業して京都放送局に異動した際は“あさひロス”が続出したほど。東京復帰後、『ニュースきょう一日』の締めの台詞、“あなたの明日が良い一日でありますように”の一言に癒された視聴者は多かった。昨年3月に第一子妊娠報道があり、現在は露出も控えめですが、井上待望論は根強いです」
井上アナについて、フリーアナウンサーの生島ヒロシ氏も過去に本誌・週刊ポストでこう評価していた。
〈原稿読みに特化した能力があって、夜のニュースをきっちり読める。『ニュースウオッチ9』のMCをやっていた時(2011~2014年)は、なんて完璧なアナウンス力だろうと感心して見ていました〉
長く和久田アナとツートップを張ってきた桑子真帆アナ(35)も忘れるわけにはいかない。丸山氏が語る。
「井上アナが癒し系なら、桑子アナは明るさとテンポの良さで高い好感度を誇っています。4月以降も『クローズアップ現代』のキャスターとして、NHKを引っぱる存在になるでしょう」
現在、『あさイチ』のキャスターとして人気を博す鈴木奈穂子アナ(41)にも根強いファンがいる。
「一時は体調不良で休養しましたが、2021年春から『あさイチ』のキャスターとして復活。以前はクールなイメージでしたが、“朝ドラ受け”で号泣するなど、親しみやすい一面で女性ファンも増えています。4月以降も番組は変わらないので、朝の顔としての地位を確立しそうです」(島本氏)
新旧実力者が群雄割拠するNHK。どうする、どうなる和久田アナ。
(了。前編から読む)
※週刊ポスト2023年3月3日号