高嶋ちさ子も出演中
そんな『ザワつく!金曜日』の活用術が加速する背景にあるのは安定した視聴率。放送当初から、石原さんが61歳、長嶋さんが57歳、高嶋さんが54歳という年齢もあって、中高年層の支持を得ることで安定した視聴率を獲得してきました。また、大晦日の放送でも、「アーティストの若返りを進める『紅白歌合戦』の視聴者層を切り崩した」などと言われているように民放トップの視聴率を獲得。すっかり「テレビ朝日の顔」という位置づけの番組になりました。
今回放送されている8番組コラボの中心に据えられたのも、テレビ朝日のテレビマンから見たら当然のことであり、だからこそ前述した「クイズ番組ではないのに」「レギュラー番組ではないのに」という多少の不自然さがあっても押し切れてしまうのでしょう。
「合体」と「コラボ」を併用する戦略へ
ただ、ここまで書いてきたように「テレビ朝日の顔」となった『ザワつく!金曜日』を中心に据えるのは自然であるものの、気になるのは今回の大型企画で「コラボ」というフレーズを前面に押し出したこと。テレビ朝日は2010年代に『お試かっ!』『ぶっちゃけ寺』『Qさま!!』、『ロンドンハーツ』『アメトーーク!』などの合体特番を連発することで、視聴率争いのトップを走る日本テレビに挑んでいました。
合体特番の連発でテレビ朝日の猛追を受けた日本テレビも同様の戦略を採るほか、他局も追随した時期がありましたが、徐々にトーンダウン。視聴者から「2つの番組をつなげただけで意味はない」「ほぼ毎週合体スペシャルで飽きた」などの声があがったことで、合体特番を前面に押し出す戦略が難しくなっていきました。
そこでテレビ朝日は昨年9月に『アメトーーク×ロンハー×有吉クイズ×テレビ千鳥 4番組コラボスペシャル』を放送。今回の8番組コラボにつながるような布石が打たれていました。ただ、「戦略が完全に『合体』から『コラボ』に変わったか」と言えば、そうとは言えないようです。
深夜帯ではあるものの、昨年10月に『激レアさんを連れてきた。 キョコロヒー ハマスカ放送部 合体祭り』が放送されました。コラボ特番で勝負しつつ、「お家芸」とまで言われた合体特番も戦略の1つとして続けていくということでしょう。