国内

【政治部記者座談会】安倍政権より圧倒的に取材しやすくても“情報漏れすぎ”な岸田政権

“情報漏れすぎ”な岸田政権を記者たちはどう見ている?(時事通信フォト)

“情報漏れすぎ”な岸田政権を記者たちはどう見ている?(時事通信フォト)

 安倍政権時代の放送法に関する内部文書の流出で大紛糾している今国会。それは岸田文雄・首相にとっても“地雷”となり得るものだった。国外に目を転じても、いまだ実現できていないウクライナ訪問や、国内外から大批判を浴びた林芳正・外相のG20欠席問題など多くの課題を抱える。番記者たちが見た裏側とは──。

 週刊ポストでは、前号(2023年3月10・17日号)につづいて、政治部記者覆面座談会を開催。今回は、外交では戦火のウクライナ訪問、内政では“第2の森友問題”で火だるまになっている岸田政権の内憂外患がテーマになった。メンバーは前回同様、官邸詰めや自民党担当の政治記者4人、記者AとBはキャップクラスのベテラン、記者CとDは第一線で取材している若手だ。【全3回の第2回。第1回から読む

 * * *
記者B:岸田政権は安倍政権より圧倒的に取材はしやすい。安倍政権時代は自民党幹部も官邸官僚も口が堅く、安倍さんを裏切れないというムードだったが、今は情報が漏れてくる。
司会(編集部):情報が漏れすぎではないか。岸田首相のキーウ極秘訪問計画も、読売のスクープ【※注】で幻となったと言われている。

【※注/読売新聞が1月22日付の朝刊で、岸田首相が2月中にウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領と首脳会談を行なう方向で本格的な検討に入ったと報じた件】

記者B:官邸は「外務省から漏れた」と言い、外務省は「行かせたくない官邸のリーク」と、責任のなすりあいをしている。

記者C:読売が最初ではないんです。そもそも岸田総理はこの間ずっとキーウに行きたいと言っていて、昨年末に一度計画が立てられたが、この時は民放が報じて、岸田総理が「なぜ漏れたんだ」と怒った。次は国会が始まる前の今年1月の欧米歴訪のタイミング。

しかし、総理がバイデン大統領との首脳会談を優先させたから日程が取れなかった。その次が、読売が報じた今年2月22~24日の日程です。総理はロシアのウクライナ侵攻1周年(2月24日)までに絶対行きたいと考えていて、外務省、官邸がこの日程で調整していたことは官邸の記者は誰でも知っていましたが、読売が書いてポシャりました。

記者B:官邸詰めの若い記者が皆知ってる極秘日程なんて、政権の情報管理の杜撰さを象徴してる。

記者D:総理側近は「ほら(情報が)出るじゃん。だから日本の総理が行くのは無理なんだよ」と行けない口実にしてました。

記者C:外務省も似たようなものです。バイデン大統領がキーウを極秘訪問した時、外務省の幹部は「あそこまで機密扱いでやりきったのはすごい」と感動していました。感動している場合じゃないだろうと思いましたね。

関連キーワード

関連記事

トピックス

9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
オンラインカジノを利用していたことが判明した山本賢太アナウンサー(ホームページより)
フジテレビ・山本賢太アナのオンラインカジノ問題で懸念される“局内汚染”「中居氏の問題もあるなかで弱り目に祟り目のダメージになる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
都内の人気カフェで目撃された田中将大&里田まい夫妻(時事通信フォト/HPより))
《ファーム暮らしの夫と妻・里田まい》巨人・田中将大が人気カフェデートで見せた束の間の微笑…日米通算200勝を目前に「1軍から声が掛からない事情」
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン