添付文書に副作用で「血圧」が上がると記載されている有名薬リスト【その1】

添付文書に副作用で「血圧」が上がると記載されている有名薬リスト【その1】

「腰痛」「膝痛」に注意

 なかには副作用の欄に「高血圧悪化」と記載された薬もある。糖尿病治療薬(グリニド系薬)のグルファストだ。

「この薬は簡単に言えば、すい臓から強制的にインスリンを分泌させる薬で、“ファスト”という名前の通り、効果が出るのが非常に早い。添付文書の高血圧悪化という表現自体は、『血圧上昇』とさほど差はありませんが、グルファストは効果が出やすい分、低血糖になるリスクに注意が必要です。

 低血糖の症状になると、頻脈や高血圧を引き起こすことがあります。高血圧で糖尿病治療薬を一緒に服用されている患者さんは、医師と十分に相談してほしい」

 日本高血圧学会もこうした併用について強く注意喚起しているが、実際には見逃されているケースが少なくないという。

「例えばロキソニンなどは頭痛だけでなく、膝関節痛や腰痛、肩こりなどを訴える患者さんが整形外科で処方されて飲んでいることがあり、それが共有されていないと血圧コントロールが難しくなることがあります。

 高齢の患者さんになると身体の不調が多岐にわたり、複数の医療機関を受診していることが珍しくない。そうなると、それぞれの病院で何を処方されているのかが共有されにくくなる。副作用リスクだけでなく降圧剤がほかの薬と効果を打ち消し合っていつまでも“効かない”と誤った判断をしてしまう可能性もあります」

 そうした原因不明の「血圧上昇」を防ぐためには医師や薬剤師との密なコミュニケーションが求められる。

「服用している処方薬はもちろん、市販薬やサプリ、健康食品まで細かく『おくすり手帳』に記載することが大事です。薬の副作用だけでなく、健康食品などが降圧剤との飲み合わせで血圧を上げてしまうこともある。少しでも“気付き”を増やせるようどんな些細なことでも報告してほしい」

 まずは今一度、自身が服用している薬の確認から始めたい。

※週刊ポスト2023年3月24日号

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