ビジネス

堀江貴文氏「格安スマホ参入」で再燃する楽天・三木谷浩史社長との「19年越しの因縁」

再びモバイル事業で相まみえることとなった堀江貴文氏(左)と天・三木谷浩史社長(時事通信フォト)

再びモバイル事業で相まみえることとなった堀江貴文氏(左)と天・三木谷浩史社長(時事通信フォト)

 3月9日、格安スマホ事業を展開するエックスモバイルは実業家の「ホリエモン」こと堀江貴文氏(50)と新ブランド「HORIE MOBILE」を立ち上げると発表した。仮想移動体通信事業者(MVNO)としてNTTドコモの通信網を利用するとしており、プランは20GB、1日5分間かけ放題で月額は3030円(税込)。堀江氏は都内で開かれた記者会見で「通信業界のLCCを目指していく」と力強く語った。

 同ブランドの特徴は堀江氏の音声コンテンツなどの無料配信や、堀江氏が展開するパン屋のパンが月1回無料提供されるなど独自サービスが盛り込まれている。また、通信料金の一部を暗号資産に替えて貯める仕組みなども検討しているという。いきなりの「ホリエモンブランド」登場にネット上は沸いたが、プロはこのサービスをどう見ているのか。

 ITジャーナリストの新田ヒカル氏は解説する。

「堀江氏は以前から『格安SIMをやりたい』と公言していたので、ようやく念願叶ったんだなという感じです。苦戦している楽天モバイルを引き合いに出す人がいるようですが、楽天は自社で基地局の設備を持っているので、その維持費と会員数などが見合わなければ経営が厳しくなるのは当然です。今回の堀江氏の『ホリエモバイル』はドコモ回線の格安携帯キャリアの回線を使ってブランドを立ち上げただけなのでリスクは少ない。

 一番の特徴は、堀江氏関連のコンテンツが無料で利用可能という点ですね。要するにこれは彼のファンに向けたサービスであるということです。堀江氏のYouTubeのチャンネル登録者数は約162万人。ほとんどの動画は10万再生以上なので、コンテンツを視聴する潜在的なファンがそれなりの数はいると考えられます。堀江氏はITビジネスの実業家ですから、そのファンはスマホとの親和性は強いため“乗り換え”をする人がいると見込んだのでしょう。

 プランと各種サポートはしっかりしていて、金額設定は決して高すぎないと思います。また、エックスモバイル自体の知名度が低いので恐らく今回はそちらの認知向上を期待されてのブランド化だと思います」

 スマホ事業といえば2020年に3大メガキャリアに割り込む形で楽天グループの三木谷浩史社長(58)が本格参入したが、4期連続で赤字になるなど苦戦している。『経済界』編集局長の関慎夫氏は、今回の堀江氏の“参入”に「三木谷氏との因縁を思い出した」と言う。

「堀江氏は2004年の6月にプロ野球の近鉄バッファローズの買収を表明しました。オリックスとの合併が承認されて買収を諦めると、今度は新球団での加盟を申請した。そこに割って入る形になったのが楽天の三木谷社長でした。その際にTシャツ姿で強気な姿勢を崩さなかった堀江氏に対して三木谷氏は自慢のヒゲを剃ってスーツで財界の大物たちにアピールした。当時球団を持っていた古い体質の大企業オーナーたちに安心感を与え、結果的にはプロ野球参入を勝ち取った。今回の一件でその“因縁”を思い出しました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

都内の人気カフェで目撃された田中将大&里田まい夫妻(時事通信フォト/HPより))
《ファーム暮らしの夫と妻・里田まい》巨人・田中将大が人気カフェデートで見せた束の間の微笑…日米通算200勝を目前に「1軍から声が掛からない事情」
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト)
《横綱昇進》祖父が語る“怪物”大の里の子ども時代「生まれたときから大きく、朝ご飯は2回」「負けず嫌いじゃなかった」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヤクザが路上で客引きをしていた男性を脅すのにトクリュウを呼んで逮捕された(時事通信フォト)
《ヤクザとトクリュウの上下関係が不明に》大阪ミナミでトクリュウを集めて客引き男性を脅して暴力団幹部が逮捕 この事件で”用心棒”はどっちだったのか 
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト))
《地元秘話》横綱昇進の“怪物”大の里は唯一無二の愛されキャラ「トイレにひとりで行けないくらい怖がり」「友達も多くてニコニコしてかわいい子だったわ」
NEWSポストセブン
ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
東京・昭島市周辺地域の下水処理を行っている多摩川上流水再生センター
《ウンコは資源》排泄大国ニッポンが抱える“黄金の資源”を活用できてない問題「江戸時代の取引金額は10億円前後」「北朝鮮では売買・窃盗の対象にも」
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン