芸能

放送続く『クイズ!ドレミファドン』 若年層の「イントロ離れ」の中、なぜ今イントロクイズなのか?

『クイズ!ドレミファドン 春ドラマ豪華出演者が激突3時間SP』

『クイズ!ドレミファドン 春ドラマ豪華出演者が激突3時間SP』の司会を務める中山秀征

 1970年代に始まった『クイズ!ドレミファドン』が今なお、特別番組化されるなどして放送が続けられている。時代遅れな感もあるイントロクイズが生き残る理由とは――。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 27日19時から『クイズ!ドレミファドン 春ドラマ豪華出演者が激突3時間SP』(フジテレビ系)が放送されます。

 その内容は、「今春フジテレビ系で放送される連ドラに出演する俳優陣が一堂に会し、さまざまな音楽クイズに挑戦」というもの。木村拓哉さん、天海祐希さん、波瑠さん、奈緒さん、白石麻衣さん、松下洸平さん、高杉真宙さん、田中みな実さんら、豪華俳優陣がそろう番組改編期ならではの華やかな特番です。

『クイズ!ドレミファドン』と言えば、1976年スタートの名物クイズ番組であり、その歴史は実に46年超。同じフジテレビのクイズ番組でも、1980年代の『なるほど!ザ・ワールド』、1990年代の『平成教育委員会』、2000年代の『クイズ$ミリオネア』などの放送が途絶える中、『クイズ!ドレミファドン』は現在も年2~3回程度のペースで放送され続けています。

『クイズ!ドレミファドン』だけが放送され続けている理由としては、やはり大半を占めるイントロクイズによるところが大きいのでしょう。フジテレビに限らず各局でさまざまな形式のクイズ番組が放送され、その幅は広がり進化する一方の中、なぜイントロクイズは形を変えず生き残り続けているのでしょうか。

 また、近年は映画やドラマを倍速視聴するのと同じように、音楽のイントロも「待てない」という理由から短くなり、歌詞からはじまる楽曲が主流となるなど、若年層の「イントロ離れ」が叫ばれていました。そんな逆風の中、なぜイントロクイズがメインの『ドレミファドン』は放送され続け、しかも重要な改編期の大型特番を担っているのでしょうか。

若年層に昭和・平成の楽曲ブーム

「イントロを聴いて曲名を当てるだけ」というシンプルなイントロクイズは、年齢性別不問で家族そろって楽しめる上に、次々に出題されるテンポのよさが現代人の好みにフィット。また、イントロクイズはフジテレビが開発したクイズ形式だけに、大切にされていることも継続放送されている理由の1つでしょう。

 2020年の視聴率調査リニューアル以降、コア層(13~49歳)の個人視聴率を獲るための番組制作が徹底され、なかでも幅広い世代に対応できる音楽は最適なジャンル。実際、各局が季節ごとに放送する長時間音楽特番を増やしているほか、2時間程度の新たな音楽特番を生み出そうとしています。

 その点、『クイズ!ドレミファドン』は音楽に加えてクイズの楽しみもあるなど、エンタメ性の高さが強みの特番。今回の特番でも、季節に合わせて“春うた”をフィーチャーするほか、ドラマやアニメの主題歌、年代ごとのアイドルなどのコーナーを組んで、タイムリーかつ多様なニーズに対応できる構成が組まれています。

 そして若年層の「イントロ離れ」が叫ばれる中、イントロクイズがメインの『クイズ!ドレミファドン』が放送され続けている理由は、TikTokを中心にした昭和・平成の音楽ブーム。当時の楽曲をTikTokやサブスクで聴く人が多いほか、民放各局も1980年代と1990年代をフィーチャーした昭和・平成の音楽特番を繰り返し放送しています。

関連記事

トピックス

近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見なえい恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン