ライフ

内臓脂肪がつきやすい日本人 ダイエットのために控えるべきは動物性脂肪、果物、アルコール

動物性脂肪などに注意

動物性脂肪などに注意

 世の中にはさまざまなダイエット法があるが、なかには“日本人に合わない”方法も少なくないという。そこで、日本人に合ったダイエットについて、予防医学の第一人者の奥田昌子さんが解説する。

 * * *
 寒さが緩み、薄着になると、気になるのがお腹の脂肪です。今年こそやせたいと考えながら「これまでダイエットがうまくいったためしはないし、そもそも親も太っていたから、私はやせられない体質なんだ」と諦めムードの人もいるかもしれません。確かにそういう傾向はあり、両親がともに普通体重だと子供が肥満になる確率が10%なのに対し、両親のどちらかが肥満だと50%になり、両親ともに肥満の場合は80%まで跳ね上がるといわれています。

 ただし、ここには生活習慣も関係しています。家族は食生活も運動習慣も似ていることが多いからです。実際に、遺伝が原因で基礎代謝量が低く、太りやすい人の体格を調べたところ、生活習慣の違いによって、太った人、普通体重の人、やせた人が、ほぼ同じ割合でいたそうです。つまり、太りやすい遺伝子を持っていても、それを自覚して生活習慣を改善すれば、遺伝によるハンデを乗り越えることができるのです。

意外と落としやすい内臓脂肪

 日本人の肥満の特徴は、お腹が出る人が多いことです。この正体は内臓脂肪です。

 体の脂肪は大きく皮下脂肪と内臓脂肪に分けられます。皮下脂肪は皮膚のすぐ下にある皮下組織に蓄積し、あごや二の腕のたるみの原因になります。一方で内臓脂肪は胃や腸など臓器のまわりにつくという特徴があります。欧米人の体には主に皮下脂肪がつくのに対し、日本人は内臓脂肪がつきやすく、太るときは、まずお腹が出てきます。

 これは遺伝で決まっていて変えることはできませんが、幸いにも内臓脂肪は皮下脂肪と比べて活動が活発で、しぶといイメージとは裏腹に落ちやすいという特徴があります。

 内臓脂肪が1kg増えるのに必要なカロリーは7000kcalです。仮に、1本が70kcalの缶コーヒーを毎日1本飲むとすると、70kcal×365日=2万5550kcalで、1年で内臓脂肪が3.7kgつく計算です。「チリも積もれば山となる」ということですが、その逆に、それまで飲んでいた缶コーヒーをお茶に替えれば、1年で3.7kg落とせます。小さな努力を続けるだけで、お腹の脂肪は自然に退治できるのです。最近は加工食品にカロリー表示が義務づけられていますし、メニューに記載しているレストランもあります。確認してなるべく低カロリーのものを選ぶのを習慣にしましょう。

 その上で、特に気をつけたい食材と、努めて摂取したい食材があります。

 控えたい食品の1つが、肉や揚げ物、牛乳・乳製品、生クリームたっぷりの洋菓子など動物性脂肪の多い食品です。動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸は脂肪に変換されやすいため、カロリーが同じであれば、動物性脂肪を含まず、日本人に長く愛されてきた和菓子の方が太りにくいといえます。

 2つめが果物です。果物にはビタミンやミネラルが含まれているため、積極的に食べている人が少なくないでしょう。しかし、ダイエットしたいなら果物には要注意です。果物に含まれる果糖という糖は、体に入ると内臓脂肪の材料である中性脂肪に変わるからです。果物の栄養成分はほとんどが野菜からも摂取できます。果物にこだわらず、野菜からも幅広く摂取してください。

関連キーワード

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン