どれだけ高性能なマシンを用いたとしても、最後に勝ち切る力が求められ、その点で藤井竜王が飛び抜けているという指摘だ。
「2022年度の対局がすべて終わり、少しだけ一服しているところでしょう。こういう時期に休息を取り、体調を整えながらも、どれだけ研究を進められるのかが重要でしょう。年内の8冠達成はもちろん、そう簡単なことではありません。しかし、かなりの確率であり得るとも思います」(松本氏)
前述のように半導体製造会社のAMDは昨年12月13日、藤井竜王に同社のCPU「RyzenThreadripper PRO」搭載のPCを提供したと発表している。
「一般的なCPUで将棋ソフトを動かした場合、1秒で数百万手先まで計算できるとされるが、AMDから贈られた一式では1秒間に6000万~7000万手先まで読める」(全国紙経済部記者)とされている。AMD社によれば一般ユーザー向けのCPUと比較して4倍の処理能力を持っているという。
鬼に金棒ならぬ、藤井竜王に超高性能PC――快進撃はまだまだ続きそうだ。
※週刊ポスト2023年4月7・14日号