「YMO時代から芸人さんとコラボする機会が多かった坂本さんにとって、ダウンタウンをプロデュースすることは自然な流れだったのかもしれません。とはいえ、汚れたブリーフ姿でアホアホマンに登場したのは、当時でも衝撃的でしたね」
CMソングとして企画された忌野清志郎さんとのシングル『い・け・な・いルージュマジック』(1982年リリース)では派手なメイクをして、音楽番組でキスをするなど、お茶の間に刺激的なパフォーマンスを提供したこともあった。
「ジャンルに囚われることなく、つねにエキセントリックな姿を見せていたのが、坂本さんです。『戦場のメリークリスマス』や『ラスト・エンペラー』では、映画音楽を手掛けるだけでなく俳優としても出演し、世界的な評価を得る一方で、アンダーグラウンドな音楽シーンとの接点も多かった。何か一つの分野にこだわらないのが、坂本さんのスタイルだったと思います」
まさかの姿でコントを披露した坂本さんだったが、それでイメージダウンとなるようなことはなかった。さまざまなものを楽しむ豊かな感性が“世界のサカモト”を作り出していたのかもしれない。