ゴールデンレトリバーの子犬(ANP/時事通信フォト)

ゴールデンレトリバーの子犬(イメージ、ANP/時事通信フォト)

「その犬を虐待していました。とてもおりこうなゴールデンレトリバーでしたが、募金活動中にけいれんを起こして病院に連れて行ったところ、膵臓に腫瘍がありました。すぐに亡くなってしまいました」

 その他にもハスキー犬のミックスやボーダーコリーなども募金活動に「道具」として利用していた。動物がこの団体に返還されれば再び募金に駆り出され、そうして一生を終える。

 また募金活動に際してジュネーヴ条約などで禁止されている「赤十字」を勝手に使っていたとも語ってくれた。これは筆者も確認済みである。こうした悪質な募金団体に関して日本盲導犬協会は〈盲導犬普及活動と称して、盲導犬の名前を商売に利用しているグループがあります〉、日本補助犬協会も〈日本補助犬協会の名前を騙った街頭募金活動が行われています。皆様の善意が悪用されることがないようにしていきたいと思います〉と古くから歴史も実績もある団体が警告を発している。

 両団体の他、「アイメイト協会」、「日本動物愛護協会」、「日本介助犬協会」、「日本アニマルトラスト」、「動物環境・福祉協会Eva」など、よく知られる大規模な団体は募金活動で炎天下に一日中犬をアスファルトに置くとか、わざと病気の犬や障害のある犬を使って哀れみを乞うような行為はしない。ましてや団体の幹部が過度の贅沢をするために使い込んだりもしない。

犬は強い人間に従う、女も強いオスに従うと代表は言っていた

 次にBさん、彼女もまた、短い間だったがスタッフとして働いていた。

「団体の虐待は事実です。スタッフは体罰をしていました。それも募金活動中に傘でつついたりしていました。市民からそのクレームが入ると「つつくなら見られないように」と指示されていました」

 そのスタッフの待遇はどうだったのか。

「募金番は有償のボランティアに任せていました。ある一定の金額が集まるとインセンティブがつきます。ノルマはありませんが最低賃金で未払金もありました。報酬が支払われていないまま辞めた元スタッフも多いと思います」

 そこには犬猫と同様に人間も搾取する構図がある。しかし犬の待遇は人間以上に劣悪だ。Cさんの証言。

「腐ったバナナとか平気でフードに混ぜます。そしてお手、おかわり、伏せのできない子は殴られます。「犬は強い人間に従う、女も強いオスに従う」と代表は言っていました。言うことをきかない子は、狭いケージに閉じ込められたままとなります」

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