山川の件はスポーツ紙では記事になったが、テレビでは取り上げられている様子がない。たとえば日曜の午前中に1週間のニュースをまとめるワイドショー番組の『サンデー・ジャポン』『ワイドナショー』『アッコにおまかせ!』では一切、触れられなかった。民放テレビ局関係者が語る。
「スポーツ紙が取り上げるかどうかは、編集局の野球担当の判断になりますが、テレビ局は事情が異なります。制作部門が複数に分かれているため、バラエティを作るコンテンツ制作局、情報番組を作る情報制作局などがスポーツを扱う場合、スポーツ局に“お伺い”を立てます。たとえば、情報制作局が勝手に動いたことで、球団との関係が悪化すれば、スポーツ局が取材をしにくくなる。そうすると、社内で局をまたいだ問題になるため、『面倒な案件は触れない』という判断が下されやすい。今回の山川の件も、そうした理由で自主規制された可能性が高い。
『アッコにおまかせ!』はアンケートを取った上でのニュースランキングを放送していますが、山川の件はベストテンにすら入っていなかった。大谷翔平や吉田正尚のニュースは上位に来ていましたから、回答者が野球に興味がないわけではない。『今週1週間のニュースを男女300人にアンケート』とナレーションで言うだけで、どんな方法でアンケートを取っているかの詳細を発表していませんが、これではランキング自体の信憑性が疑われても仕方ありません」
メディアは球団の顔色を窺い過ぎている
球団の機嫌を損ねれば、テレビやスポーツ紙は取材拒否の憂き目に遭ったり、情報をもらえなくなったりする恐れがあるから、プロ野球選手のスキャンダルを扱いづらい──そんな構図は、再三再四、指摘されている。
「球団側からすれば『圧力をかけた事実はない』と言うでしょうが、他の取材の時などに『ああいう記事を出されると困るんですよね』『おたくはあの件をたくさん報じてますよね』などと、記者に苦言を呈すことは多い。それが結果的に圧力になっていることに気づいているのか。