芸能

【決勝直前】新漫才賞レース「THE SECOND」に挑むフジ プロデューサー&総合演出が語った「大会設立の決意と苦悩」

結成16年以上の総勢8組が決勝に挑む(撮影/山口京和)

見事『THE SECOND』決勝進出を決めた8組による記者会見の様子(撮影/山口京和)

 結成16年以上の漫才師だけが出場資格を持つ新・漫才賞レース「THE SECOND~漫才トーナメント~」。当初、ベテラン芸人からは「やっと賞レースから解放されたのに……」との声も聞かれたが、ふたを開けてみれば133組が参加し、勝ち残った8組が5月20日放送のグランプリファイナルに進出する。新たなコンテストを立ち上げるに至った経緯と心境を、フジテレビのチーフプロデューサー・石川綾一氏と、総合演出・日置祐貴氏に尋ねた。(聞き手/ノンフィクションライター・中村計)【前後編の前編】

 * * *
──THE SECONDが他の賞レースと一線を画すのは、出場資格が「結成16年以上」という点です。あらゆるコンテストにおいて「以内」という制限はあっても「以上」という制限はあんまり聞いたことがありません。

石川:フジテレビとしても、吉本興業さんと協力して新たなお笑いの賞レースをやりたいねという話がずっとあったみたいなんです。それで、私の直属の上司(バラエティー制作センター部長・中嶋優一氏)が構想を練っていて、去年7月にその上司が部長に昇進したタイミングで、私がチーフプロデューサーとして引き継ぎました。ただ、個人的には先行する賞レース、M-1(グランプリ)やキングオブコントの邪魔になるような大会にはしたくないなという思いがありました。そうして総合演出の日置や吉本興業さんと議論する中で、ジャンルを漫才に限定し、結成16年以上のコンビに絞るという案に落ち着いたんです。そうすれば、どの大会とも出場者がかぶらないですよね。決勝の時期を5月にしたのも、他の賞レースと時期が重ならないようにという配慮からなんです。

──THE SECONDという大会名は「セカンドチャンス」という意味があるとのことですが、コンセプトありきというよりは、他の賞レースと共存共栄をはかるためにはそれしかなかったということでもあるんですね。

日置:大会名も「○-1グランプリ」というのはやめようね、と話していました。M-1やR-1とイメージがかぶってしまうので。

石川:大会名は悩みましたね。「大器晩成」から晩成をとって「BANSEI」とする案も気に入っていました。僕はABC(朝日放送)からの転職組ですし、日置も今こそ大エースですけど、バラエティー班の中ではAD期間がいちばんと言っていいぐらいに長かった。2人とも遅咲きだけに、その響きに思い入れがあった。けど、ちょっと人気が出なさそうだよね……と。「ラストタイトル」という案もありましたね。ただ、「ラスト」というのが引っかかった。もっと前向きなのがいいな、と。

日置:そこでセカンドチャンスという意味で「THE SECOND」に落ち着いたんです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された愛子さま(2025年5月8日、撮影/JMPA)
《初の万博ご視察》愛子さま、親しみやすさとフォーマルをミックスしたホワイトコーデ
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン