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アナウンサーと女子大生を今なお重用 フジテレビは「時代錯誤」「過去の栄光にすがりすぎ」なのか

フジテレビ・井上清華アナ(同社ホームページより)

フジテレビ・井上清華アナ(同社ホームページより)

 フジテレビが他局とは異なる独自の番組に力を入れている。その1つが自局のアナウンサーをタレントのように前面に押し出した企画や、女子大生をメインに据えた番組だ。フジがかつて行っていた番組作りの“再現”に、ネットでは「時代錯誤」などと批判の声も上がっているが果たしてそうか――。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 11日夜、『千鳥のクセスゴ! めざましテレビ30周年を爆笑コラボでお祝いSP‼』(フジテレビ系)が放送されます。この特番では、ふだんとはひと味違うクセがスゴいネタを披露する『千鳥のクセスゴ!』と、今年4月に放送30年目に突入した朝の情報番組『めざましテレビ』がコラボ。人気アナウンサーが芸人たちとクセがスゴいネタに挑戦することが予告されています。

 たとえば、メインキャスターの井上清華アナが制服姿で土佐兄弟と「高校生あるある」を披露するほか、三宅正治アナがロバート・秋山竜次さん、西山喜久恵アナ、鈴木唯アナ、藤本万梨乃アナ、渡邊渚アナが友近さん、軽部真一アナがトレンディエンジェルとネタに挑戦。『めざましテレビ』というより、アナウンサーをフィーチャーするような企画である様子がうかがえます。

 フジテレビと言えば、80年代から報道・情報番組だけでなく、バラエティやドラマなどにアナウンサーを出演させて人気者を生んだ歴史がありました。最近でも、昼の生放送バラエティ『ぽかぽか』に入社2~4年目の若手アナウンサーを日替わりで起用し、進行だけでなくトークなどにも絡ませています。

 また、4月に放送された『ネプリーグ』では、フリーを中心にした“アナウンサーチーム”に2年目の岸本理沙アナを抜てき。昨春にフジテレビを退社した久代萌美アナとバトルの図式で笑いを誘うなど、若手アナを積極的に使う姿勢を見せています。

 しかし、2000年代後半から2010年代にかけてそんなフジテレビのアナウンサー活用戦略は、徐々に「タレント気取り」「過去の栄光にすがりすぎ」「時代錯誤」などと叩かれる機会が増えていきました。

アナと女子大生を起用する狙い

 これはアナウンサーに限った話ではなく、女子大生タレントの起用も同様。今春にスタートした金曜深夜の生放送バラエティ『オールナイトフジコ』は、15人の女子大生「フジコーズ」をフィーチャーした番組であり、この構成は1983年から1991年に放送された『オールナイトフジ』、1994年に放送された『オールナイトフジ・リターンズ』、2009年から2010年に放送された『キャンパスナイトフジ』に続く4回目です。

 こちらもアナウンサーの活用戦略とまったく同じように、「タレント気取り」「過去の栄光にすがりすぎ」「時代錯誤」などと、特に『キャンパスナイトフジ』以降は叩かれてきました。

 アナウンサーや女子大生タレントを活用した番組のネットニュースが報じられると、条件反射のように「だからフジテレビはダメ」などの批判が書き込まれてきましたが、少なくとも業界内ではそういう見方はされていません。むしろ、「令和の今なお叩かれるようなことではないだろう」とみなしている様子がうかがえます。

 もともとアナウンサーや女子大生の活用には、主に2つの狙いがあると言われています。

 1つ目は、番組に華、フレッシュさ、勢い、親近感などを加えられること。「番組が明るく元気になった」「見た目が華やかになった」「ふだん見ているので親近感がある」などの好印象を狙い、さらにスポンサー受けのいい若年層を呼び込むことを期待されています。

 2つ目は、制作費の削減。高額な報酬の人気タレントを起用するより、自局アナウンサーや無名の女子大生タレントを使うことで、確実に制作費を減らすことができます。放送収入の低下で制作費の削減が進む中、アナウンサーや無名の女子大生タレントはスタッフサイドにとって使い甲斐のある存在。アナウンサーはすでにある知名度を武器に、女子大生タレントはスターに育つ過程を見どころにすることができます。

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