流行のデニムのバギーパンツを履きこなす
“引退”ではなく“休業”状態である
華やかな芸能界から離れ、心と体を落ち着かせる日々を送っていた沢尻。実はいまも事件前と同じ芸能事務所に所属しており、現在は“引退”ではなく“休業”している状態だ。
「公判では、事務所の役員による陳述書が読み上げられましたが、そこには、更生を支えるのも事務所の役割といった記述がありました。事務所側は、まずは健全な生活を取り戻させ、それから、仕事への復帰をサポートしたいと考えていたのでしょう」(前出・芸能関係者)
女優としての沢尻には、見るものの目を離さない魅力があった。小学生のときにモデルとして芸能界デビューした沢尻は高校生になって女優に転じた。その演技力は、2005年の映画『パッチギ!』のヒロインに抜擢した井筒和幸監督が「天性のもの」と評するほど。懸命に生きようとする難病の少女を演じた同年のドラマ『1リットルの涙』(フジテレビ系)では、日本中の視聴者が涙を流した。
「彼女の圧倒的な演技力は“憑依型”で、自然と役に入り込む天性の才能がある。一方で、撮影現場では控室に戻らず、常に現場に残って緊張感をキープする努力も欠かさなかった。だから、一緒に仕事をした監督からの評価は一様に高い」(映画関係者)
ただ、こうした女優としての高い評価には別の評判もついて回った。
「サバサバと思ったことを口にする“エリカ様”の愛称の通り、とにかく沢尻さんはドライで、また、気分屋なところがあります。ハラハラさせられることも多かった」(前出・映画関係者)
2007年、主演した映画『クローズド・ノート』の舞台挨拶に、金髪のウイッグとヒョウ柄のドレスで登壇し、司会者の質問に腕組みをして「特にないです」「別に」と塩対応をし、世間から反感を買った。2009年には22才年上の高城剛氏と結婚したが2013年に離婚するなど、プライベートでも“お騒がせぶり”を発揮。ただ、現在の事務所に移籍後は、女優としてさらに脂が乗ってきてもいた。
「2012年の映画『ヘルタースケルター』と2014年のドラマ『ファースト・クラス』(フジテレビ系)は圧巻でした。岡崎京子氏原作の『ヘルタースケルター』では、全身を美容整形したモデル役でヌードにも挑み、『ファースト・クラス』では、女性誌編集部内のマウンティング合戦を経て成り上がる女性を演じました。また2017年のドラマ『母になる』(日本テレビ系)では、運命に翻弄される母親役を好演しました」(前出・映画関係者)
そして、念願のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』(2020年放送)への出演が発表されたのが2019年3月。逮捕の年の春のことだった。
「沢尻さんにとって初めての大河。“20年間の芸能生活の集大成を見せたい”と彼女自身、並々ならぬ意気込みでいました。それだけに、逮捕されたという第一報には耳を疑いました。大河は降板となり、進んでいた撮影も代役を立ててかなりの部分を撮り直すことに。出演していたCMは放送中止になり、クライアントのサイトからもすぐさま削除されました」(前出・芸能関係者)
あまりの影響の大きさに、億単位の違約金を支払う必要があるとも報じられた。
「沢尻さんも逮捕されてはじめて、自分のしてしまったこと、失ってしまったものを実感したのでしょう。だから公判でも反省の弁に終始し、女優復帰の可能性を自ら閉ざしたのだと思います」(前出・芸能関係者)