「NPBで手を差し伸べる球団はない」
今季、山川は事件発覚前まで17試合に出場していたが、2割5分4厘でホームランは1本も打っていなかった。
「ただ仮に残留しても、山川が去年までのように打てるとは思えません。自分の責任とはいえ、世間から叩かれてメンタルが相当やられているはずだからです。今季はWBCに出場しながらも出番が少なかったため、調整不足で打てないのかと思われていました。でも、今思えば事件の捜査をされていた影響があったんでしょう。
チームメイトへの暴力行為をきっかけに中田が日本ハムから巨人に移籍した時、力みすぎて全く打てない時期があった。明らかに周囲の声を気にしていたように思います。もし山川が来年試合に復帰できたとしても、同じようになるのではないでしょうか」(前出・ベテラン記者)
仮に西武が解雇するとなれば、山川を獲得する球団は現れるのか。
「現実問題として、NPBで手を差し伸べる球団はないでしょうね。日本ハムでチームメイトに暴力行為を働いた中田翔を獲得した巨人の名前が上がりますが、あれは原辰徳監督と栗山英樹監督の長年の関係性から生まれたもの。原監督は2次政権の時に栗山氏にヘッドコーチの依頼をしていたほどの関係だった。だからこそ栗山監督は、昵懇の仲だった原監督に中田を預けることができた。
現在の西武と巨人の間に、そのような関係性はないので、巨人が獲得するとは思えません。ハラスメントに厳しいメジャーリーグへの挑戦はさらに考えられない。ロッテの清田育宏が女性問題を起こして解雇された後、日本の独立リーグにも所属できなかったことを思えば、国内での活動は難しいでしょう。韓国や台湾などのリーグに渡るしかないのでは」(前出・球界関係者)
将来的なNPB復帰はあるのか。
「世論次第でしょうね。過去の例を見れば、相当数の署名が集まるなどすれば事態は変わるかもしれない。ただ、昔は『野球選手はグラウンドで結果を残せばいい』という考え方がありましたが、今の世の中では、グラウンド外での振る舞いが目に余る野球選手に対する嫌悪感は大きい。あとは今後、山川がどう反省の色を見せるか次第です」(前出・球界関係者)
山川の今後の野球人生はどうなる──。