学校にとってプールの維持は負担が大きい(イメージ)

学校にとってプールの維持は負担が大きい(イメージ)

 以下は文科省、高等学校学習指導要領(保健体育)のQ&Aだが、ちょうどこの男女共習について回答されている。

〈問 男女共習の授業を実施する際の留意点はどのようなことですか。〉
〈答 学習指導要領では,「体力や技能の程度、性別や障害の有無等にかかわらず、運動の多様な楽しみ方を社会で実践することができるよう留意すること。」とされています。(中略)心身ともに発達が著しい時期であることを踏まえ、運動種目によってはペアやグループの編成時に配慮したり、健康・安全に関する指導の充実を図ったりするなど、指導方法の工夫を図ることが大切です〉

 とのことで、この場合、男女の問題は「指導方法の工夫を図る」ということになる。

 別の教師(彼は小学校だが)が語る。

「教員不足、教員の待遇もそうだが、上が現状を理解していない。時代に沿った対応が必要だと思う。小学校でも小6になると発育のいい子で『恥ずかしい』と話す子もいる。小学校では男女の着替えもいっしょという学校がまだあると聞く。小学校の場合プールの授業は必要と考えるが、対応は時代に合った対応、そして教員の負担を減らす努力は必要だ」

 実際、プールの授業を外部の施設やスポーツクラブに委託する学校も増え始めている。移動の問題はあるが、プールの維持費も馬鹿にならないし更衣室の問題もある。先の元生徒からのヒアリングの中には「プールが古くて汚いから嫌でした」「ちゃんとした更衣室がなかったので最悪」というのもあった。プールそのものがない学校や地域も存在する。埼玉県加須市のように中学校のプール授業そのものを原則廃止した自治体もある。

 元スポーツ庁長官、日本水泳連盟会長の鈴木大地氏はテレビ出演でこの問題に関して、

「女子の気持ちになってみたら『恥ずかしいな』という気持ちも分かりますが、教員のシフトの問題で一緒にやらざるをえないという状況だと思う」

「子どもの習い事のナンバーワンは水泳、男子と女子の差もないから一緒にやろうと思えばできる。ただ、いろいろ配慮すると別々の方が良い」

 という趣旨で一定の理解を示していた。また「地域、学校に応じたやり方でしっかり教育をしていただくことが大事」と述べていた。

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