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加齢性の難聴、問題点は「自覚症状が少ない」こと 日常生活における診断チャートでチェックを

自覚症状が少ない「難聴」にどう備えるか(イメージ)

自覚症状が少ない「難聴」にどう備えるか(イメージ)

 元気に自立して過ごせる期間を「健康寿命」というが、その“延伸”に欠かせないのが「耳」の健康だ。家族や友人との会話は生活の要であるだけでなく、将来的な認知機能の維持にも影響する。まだ自分は大丈夫──そう思っている人にも危険は迫っている。専門医のアドバイスに耳を傾けよう。

老眼と違って気付かない

 関東地方在住の70代男性は、夏休みシーズンを前に気がかりなことがあるという。

「娘が孫たちを連れて帰ってくるのは嬉しいんだけど、『テレビの音量を下げて』とか、『ねぇ聞いてる?』などと言われるのが気になるんだよね」

 今年の正月にも、同様のことがあったそうだ。

「テレビの音は言われるまで気が付かなかった。耳が遠くなったのかもしれないけど、今は痛くも痒くもないから、医者にかかるほどのこととは思えなくて……」(同前)

 同じような思いをしている人はいないだろうか。「耳が悪くなっているのかも」──周囲の反応で小さな“気付き”があっても、そのまま放っておいて何もせずに過ごす人は多い。

 今年5月、東京都健康長寿医療センター研究所が発表した高齢者の加齢性難聴に関する調査結果によると、「中等度以上の難聴者のうち、約7割が病院受診を希望していない」ことが判明した。

 同研究所が群馬県草津市で75歳以上の高齢者385人の健康調査データを解析した結果、中等度以上の難聴が認められた144人中、「耳の聞こえの不調に関して診察を希望している、もしくはすでに受診した」人は3割弱だったという。難聴があっても病院に行きたがらない傾向は、症状の自覚がない人ほど大きかったことも判明している。

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