スポーツ

大谷翔平の通訳・水原一平氏 転機となった2009年WBC決勝戦「侍たちの野球に携わりたい」と決意

大谷翔平(左)の「唯一無二の通訳」となった水原一平氏(写真=AP/AFLO)

大谷翔平(左)の「唯一無二の通訳」となった水原一平氏(写真=AP/AFLO)

 2度目のシーズンMVP獲得に向け、前人未到の活躍を続けるエンゼルス・大谷翔平(29)。大スターをその間近で支えるのが、通訳の水原一平氏(38)だ。彼は、いかにして大谷の信頼を勝ち取り、「唯一無二の通訳」となったのか。(文中敬称略)【全3回の第1回】

イチローの決勝打が契機に

 大リーグのオールスターゲーム前に行なわれた恒例のレッドカーペットショー。スター選手たちが彼女や妻とともに歩くなか、スーツ姿で歩く大谷の3mほど後方を控えめに歩くのは、通訳の水原一平だ。全米を沸かせるユニコーンの隣には、いつもこの男がいる。

 メジャーリーグ研究家の友成那智は、水原の仕事ぶりについてこう語る。

「メジャーの日本語通訳は車の運転手からプライベートの外出まで、24時間体制でサポートしないといけない。大谷の場合、遠征先ではほとんどホテルから出ないため、食事の面倒までみないといけません。

 テレビでは水原さんがタブレットを持って大谷と話しているシーンがよく流れるが、水原さんは大谷のデータ係も務めています。その他、遠征先で殺到するファンから守ったり、練習中に打球から大谷を守ったりと、“用心棒”まで任されている」

 水原は、大谷がメジャーに挑戦した2018年シーズンに共に渡米したが、それまでの半生はあまり知られていない。

 生まれは北海道苫小牧市。和食料理人の父・英政が米国で和食店を開くため、6歳の時に家族で渡米した。ロサンゼルスにある日本料理屋「古都」のオーナーシェフ・松木保雄(75)は父・英政と古くから親交があり、水原も同店でアルバイトしていた経験があるという。松木が振り返る。

「一平ちゃんがこの店でアルバイトをしていたのは、大学を卒業したころ。ホールで料理をお客さんに持って行く仕事をしていました。時給は当時8~9ドルくらいだったかな。人生を模索している時期だったと思います。

 何か手に職を付けなきゃいけないと、当時はカジノのディーラーの学校に通ったという話もしていました。それも性分には合わなかったみたい。時期は少し後だけど、日本酒のメーカーに入社してウチに売り込みに来たこともあったね。一平ちゃんは真面目で誠実ですごく好人物だけど、セールスマンっぽくなくて、営業はあんまりうまくなかったな(笑)」

関連キーワード

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン