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『週刊現代』元編集長・元木昌彦氏が明かす「脊柱管狭窄症」内視鏡治療体験「思ったよりリハビリも楽だった」

施術後すぐに散歩ができるようになった元木昌彦氏

施術後すぐに散歩ができるようになった元木昌彦氏

 推定患者数は約580万人。全国で60歳以上の10人に1人が該当するとされる「脊柱管狭窄症」。脊柱管狭窄症は、背中を縦に貫く神経の通り道である「脊柱管」が、加齢とともに狭くなることで神経や血管が圧迫され、足腰に慢性的な痛みやしびれが生じる症状だ。保存療法や大がかりな手術を避け、内視鏡で脊柱管狭窄症の根治に挑んだ男性がいる。本誌・週刊ポストのライバル誌の元トップが最先端治療について明かした。

 * * *
「ポストが俺の話を聞きにくるなんてなぁ」

 苦笑いしながらそう話すのは、元講談社社員の元木昌彦氏(77)。1990年代に『フライデー』と『週刊現代』の編集長を歴任した元木氏。講談社の週刊誌黄金時代を築き上げたカリスマ編集長も、脊柱管狭窄症に悩むひとりだった。

「5年前、突然右足に激痛が走ってさ。とくに腰から太股にかけて痛くて痛くて。地元の町医者でレントゲンを撮ったら、脊柱管狭窄症だと。手術するか痛み止め薬で我慢するしかないと言われて、一番強い痛み止めを出してもらったんです。

 薬はあまり効かなかったけど、どういうわけか3か月ほどで痛みが消えて、また歩けるようになった。ゴルフに行ったり、完全に油断していたら、1年半前に再発。これがまた痛くてたまらないんだ」(元木氏)

 脊柱管狭窄症を患った友人からは「しびれが酷い」と聞いていたが、元木氏の場合は右足の痛みだけだった。

「だけどその痛みが尋常じゃない。10分も歩けないし、青信号の間に渡り切れるか心配で、長い横断歩道が怖くなった。事務所に行かなきゃならない時は仕方なく出かけたけど、立っているだけで痛いから電車にも乗れない。タクシーを呼んでも足が上がらず、乗るのが大変でした」(同前)

 家の中でトイレに行く時も這って移動し、シャワーも座らないと浴びられなかったと元木氏。再発時は別の病院を受診したが、痛み止めを処方されるだけだったと語る。

「月に1回薬をもらいにいって、“まったく変わりないですね”と言われてまた薬をもらう。埒があかないんで、たまたま知り合いがいた国立国際医療研究センター病院(東京・新宿)に行ってみたんです」

 MRIを撮ると、元木氏の脊柱管に血の塊があり、これが神経を圧迫していた。血塊を要因とするケースは稀だという。

「老化現象のひとつみたいでね。体の中が淀んで、背骨周りの血管が劣化していたのかな。ただ、いざ治療しようにも痛み止めのブロック注射でさえ痛くてたまらないんだから、手術なんてとても無理。そう思っていたら、担当の先生が内視鏡の専門医で、『私なら内視鏡でやれますよ』と言ってくれたんです」(同前)

 内視鏡手術は外科手術に比べて体への負担は大幅に軽減される。

「実際、負担は全然なかった。背中の背骨の間に小さく穴を開けて、そこから内視鏡を入れて血塊を取ってもらいました。手術時間は2~3時間。全身麻酔だったけど、すぐに目が覚めた。もう終わったのかという感じ。穴は術後にすぐ塞いでくれた」(同前)

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