その後、上京。生活費を稼ぐために風俗店で働くようになるが、そんな彼女の救いになったのが歌舞伎町のホストだった。
「りりちゃんにとってホストは会話やコミュニケーションが得意な特別な存在に見えたようです。疎外感にさいなまれていたりりちゃんは依存し始めて、ホストにお金をつぎ込むようになった。ホストクラブに通いやすいように歌舞伎町に住んで、毎晩大金を使っていた。頂きで貰ったお金も全部ホストに使ってしまい、逮捕時の全財産は1万円でした。あきらかな依存症です。担当ホストとのトラブルも多く、今年5月にはSNSのアカウントを作り直したのですが、これもホストとの喧嘩の末、前のアカウントを消されたからです」
草下氏らのサポートによって、渡辺容疑者ホス狂いや「パキる」といわれる睡眠薬・向精神薬のオーバードーズから抜け出しつつあったという。
「頂き行為やオーバードーズは、生育環境の歪みからくる愛着障害が原因になっていると感じました。それが強烈なホスト依存へと繋がっていると。そこで周囲の人間と協力して、ホス狂いから抜け出す手助けをしていました。たとえば彼女は犬が好きなので、『ホストに行かなければ毎日犬のLINEスタンプをあげる』という約束をするなどして、我慢させていました」
夜の歌舞伎町しか知らなかった渡辺容疑者。少しずつ利害関係ではない大人との付き合いも増え、合法的な仕事も探しはじめていた。創作活動に関心があり、彼女をモデルにした作品の企画も動き始めていたという。だが、今回、詐欺幇助で逮捕される。渡辺容疑者は取り調べには素直に応じ、「間違いありません。詐欺になることも分かっていた」と供述している。
「今回の逮捕は妥当だと考えています。また、これまで彼女が頂き行為をしてきた男性から被害届けが出れば、詐欺で逮捕される可能性もあると思います。その点においては自業自得ですし、彼女自身も理解しているはずです。
ただ、大切なのは事件後どのように生きるかです。どう罪と向き合い、2度と同じ過ちを繰り返さないように生きるか。これからは自分の力で生きていかないといけません。私は彼女がしっかりすべての罪を清算できたら次の人生を模索する手助けをしたいと思っています」