作家陣が“挑戦的な楽曲”を作れた
前出・音楽関係者が語る。
「この2つの投稿は曲自体の良さは認めたうえで、歌い手への批判になっています。たしかに槇原敬之さんやスガシカオさんというアーティストが、自分で作った曲を歌う良さはあると思います。ただ音楽の難しいところで、歌が上手ければ売れるわけでもないし、人に伝わる歌になるとも限らない。ジャニーズの歌手が歌ったからこそ、多くの人に訴求したという側面は間違いなくあるし、それによって楽曲の素晴らしさが心に響いた人もいるでしょう。それを“偽物”呼ばわりするのはどうかと思いますし、作家たち対しても失礼でしょう」
多くの作詞家や作曲家はジャニーズ事務所の曲を作ることを楽しんでいたという。レコード会社関係者が話す。
「10代のアイドルはまだ音楽的なこだわりがないので、作家陣が良い意味で“挑戦的な楽曲”を作れた。少年隊の『仮面舞踏会』のイントロなんて、音楽界のそれまでの常識では考えられなかった。そんな良い意味での実験ができたんですね。
アーティスト色の強いバンドや歌手は、歌い手のこだわりが強くて、なかなか作家の思い通りにはできないんですよ。その点、ジャニーズの歌手に楽曲を提供する場合は、比較的自由に作れるので、楽しい仕事だったと作家の方々はよく振り返っています。アイドルがいなくて自作自演の歌手やバンドばかりになると、職業作詞家、作曲家の出番が激減してしまいます。アイドル歌謡、ジャニーズ歌謡はジャンルの1つとして成立していると思いますけどね」
茂木氏の投稿には多くの意見が寄せられており、その後「議論が広がってよかったです」と投稿している。